映画監督 白羽弥仁さん
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Q① ご出演者様ご自身について、プロフィールや経歴など、教えてください。
1964年兵庫県生まれ。日本大学芸術学部卒業。
1993年「She’s Rain」で監督デビュー、以来7本の映画を監督。
2017年、日本・台湾合作映画「ママ、ごはんまだ?」はサンセバスチャン国際映画祭に正式出品。
Q② 映画監督になろうと思ったきっかけを教えてください。
小学校4年生から映画館に通い始め、中学生の時から8ミリカメラで映画を作り始めました。
丁度その頃から映画業界では「助監督で現場修行して監督になる」というシステムから
「自主映画を作って自ら監督になる」という時代に差し掛かっていました。
1977年当時、医学部の学生だった大森一樹さんが25歳で監督デビュー、
同じ関西出身だったのでモロに影響を受けて、自分も映画を作ろうと決心したのです。
ただ、当時日本中の映画青年が同じことを夢見たはずなので、生き残った自分は運が良かったのだと思います。
Q③ 「フィリピンパブ嬢の社会学」の本との出会い、映画化の経緯を教えてください。
台湾との合作映画「ママ、ごはんまだ?」をつくった事で海外の映画祭に呼ばれたり、
アジア圏で広く公開された事で様々な反響がありました。
引き続きアジア圏と日本、日本人との関係をモチーフにした映画をつくって行きたいと強く思っていた中、
2017年に出版されたこの本に出会いました。
私が手にしたのは翌2018年だったのですが、
一読して「これは面白い!」とすぐにSNSを通じて作者と連絡を取り、
名古屋で会って映画化の希望を伝えました。
実現まではそこから4年かかって2022年の秋に撮影となりました。
Q④ 「フィリピンパブ嬢の社会学」どんな映画でしょうか?作品についてご紹介・注目ポイントを教えてください。
愛知県春日井市の大学院生翔太が、修士論文のテーマに選んだ在留フィリピン人の実態調査で、
名古屋のフィリピンパブに出かけます。そこで出会ったミカという女性と恋におちるのですが、
彼女は日本に入国して働くために偽装結婚をしてビザを修得していることが分かります。
彼女たちを働かせるブローカーは闇の組織。
組織の都合で強制送還されると思い込んだミカに懇願されて
翔太は遂に組織のボスと対決することになります。
私は日本の映画にありがちな、日本人に搾取された可哀想なアジア人や、
暴力を振るって差別する野蛮な日本人、という殊更な表現にいつも違和感を感じていました。
この映画ではフィリピン女性の明るい逞しさと、家族への深い愛を丁寧に描いたつもりです。
出演しているほとんどのフィリピン人は
演技経験の無い東海地区で実際にフィリピンパブで働いている人やそのOGです。
また、主演の一宮レイゼルは150人近いオーディションから選ばれました。
Q⑤ 熊本でも来月熊本ピカデリーでの公開が決定しています!
上映期間は5月10日(金)から5月23日(木)までの2週間限定です。そしてなんと!舞台挨拶が決まっているそうで・・・?
2024年5月11日(土) 13時の回の終演後に実施予定。
Q⑥ おしまいに、ラジオをお聴きのみなさんにメッセージをお願いします。
これからの時代の共生社会は対等な目線と思いやりが不可欠です。
この映画は波乱万丈純愛ラブストーリーなので、笑って泣いて楽しんで頂けると幸いです。