共同通信社 熊本支局長 上西川原淳さん

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月曜日

最近話題のあんな人・こんなもの・お店・イベントなどをPICK UPして、

パーソナリティのマッキーがお話を伺う、「Macky Talks」。

今日は、共同通信社熊本支局長 上西川原淳さんをお迎えして

「大人の社会科」と題してアメリカ大統領選挙についてお話を伺いました。 

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Q① ご自身について、プロフィールや経歴など、教えてください。

熊本県合志市出身。熊本県立濟々黌高校、早稲田大学法学部卒業。

共同通信社入社後は

那覇支局記者(米軍基地問題、沖縄サミット取材)、福岡支社記者&デスク、外信部記者&デスク

ロンドン支局記者(ブレア、ブラウン政権、ロンドン同時テロなどを取材)、

政治部記者(首相官邸、野党クラブ、霞クラブ)=民主党への政権交代などを取材

ワシントン支局(1回目);オバマ政権2期目。国務省、ホワイトハウス担当

ワシントン支局デスク(2回目);トランプ、バイデン政権を取材

・休みの日は努めて走るようにしていますが、最近は暑すぎて、あまりできていません。

 シーズン前にそろそろ始動中です。

・オートバイに乗るのが好きです。阿蘇に時々行きます。

 スキーも好きですが、最近は行けていません。

・家事は可能な限り機械に任せるのが好きです。

 

 

Q② 改めて、共同通信社とはどんな機関でしょうか?基本情報を教えてください

・全国の地方紙、ブロック紙、NHKなどがつくる報道機関。

 株式会社ではなく、一般社団法人。独自メディアはなく〝ニュースの卸し会社〟

・実態としては、印刷部門のない新聞社のようなイメージ。

 記者がやっていることは新聞記者、放送の記者とほぼ同じ。ただ、他社より1秒でも速い正確な速報を目指す。

・共同通信のニュースが掲載される新聞の合計発行部数は1920万部。契約放送局は100局

・社員数は約1600人、本社は東京・港区、各県に支社・支局。海外に41支局

 参照(https://www.kyodonews.jp/saiyou/aboutus/number.html

 

 

Q③ いよいよ11月に迫ったアメリカ大統領選挙。複雑で独特なイメージがあります・・・。

簡単で構いませんので基本的な仕組みを教えて下さい。

1、首都・各州に割り当てられた大統領選挙人票計538票の過半数270票を争う間接選挙。

2、首都、州ごとに投票があり、人口比などを基に割り当てられた選挙人票を、勝者が原則総取りして、票を積み上げていく。

3、事前に40前後の州は、だいたいこれまでの大統領選と同じ結果だということが分かっている。

  トランプ、ハリスが220票前後確保=残り50票前後の争い   

4、大統領選ごとに結果が異なる「激戦州」で勝敗が決まる。今回は主に7州。

  製造業の労働者の多い東部ペンシルベニア、

  中西部ミシガンとウィスコンシン(3州で計44票)が特に大事=ラストベルト(さびた工業地帯)。

  南部のノースカロライナとジョージアは黒人、アリゾナとネバダは中南米系の割合が高い。

5、建国時に直接選挙か議会選出かで議論となり、妥協の産物として生まれた制度

 

 

Q④ ワシントン支局にいらっしゃったときの選挙期間中の現地の雰囲気や

印象深いエピソードを教えてください。

1、民主主義の根幹として、選挙活動の自由が最大限保障されている。文化祭のような雰囲気。

2、選挙運動への住民参加が容易。選挙期間に期限がない。活発な政治献金、戸別訪問、集会                                   

3、「金権」選挙。金を集められない人に候補者の資格なし。

  候補者は効率的な金の運用を考え、激戦州でのみ選挙運動。金の切れ目が全ての切れ目                                                            

4、問題点:10年おきに線引き。ゲリマンダリング。有権者登録制。

*活発な戸別訪問。活発な政治献金=全ての始まり。予備選で「党員集会」。

 意中の候補の前に並んで、ほかの人を説得する。同じ「民主主義」?

 

 

Q⑤ 上西川原支局長が思う、今回の選挙での注目ポイントを教えてください。

・初の女性大統領が誕生するか(初の黒人女性、初のアジア系)。初のファーストジェントルマン?

・勝っても負けてもトランプ氏がどうするか。

 勝利:外交:ウクライナ、中東情勢への影響。対中政策≒対台湾政策~TSMC~熊本への影響、

                    日米関係がどうなるか。米国への忠誠を求めるのでは。

    内政:最高裁判決で大統領在任中の公務には免責特権適用。司法省の武器化?国防総省への影響力

 敗北:前回は「議会襲撃事件」。格差が非常に大きくなり、

            人生に幻滅したトランプ支持層のエネルギーがどこに向かうか。

*米国は、日本が模範としてきた自由を標ぼうし基本的人権の尊重や国民主権を柱とする

 「欧米民主主義」の指導的役割を世界で担ってきた。民主主義は多義的。

 その中で何を重視するのかという選択。米国のこれからの針路を大きく決める選挙で「決戦の時」。かも。

 

 

Q⑥ おしまいに、リスナーの皆さんにメッセージをお願いします!

・米国では政治や選挙がとても身近で生活の一部のような雰囲気があります。

・日本は政治や選挙が特定の人のもののような印象を受けます。

 特に(本来、民主主義において最も尊重されなければならないはずの表現の自由、

 そして、その中の政治活動の自由の核心でもある)選挙の規制が非常に多く、候補者が遠くに感じます。

・米大統領選については、やっぱり分かりにくい、という人はペンシルベニア州に注目してみてください。

・どっちが勝っても歴史的な選挙になると思います。

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