野尻写真場 野㞍 雄介さん
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最近話題のあんな人・こんなもの・お店・イベントなどをPICK UPして、
パーソナリティのマッキーがお話を伺う、「Macky Talks」。
今日は、写真界のワールドカップであるWorld Photographic Cupの
ナチュラルポートレート部門で日本代表に選出、そして日本人初のTop10入りを果たした
野尻写真場の4代目 野㞍 雄介さんをお迎えしてお話を伺いました。
Q① ご自身について、プロフィールや経歴など教えてください。
野㞍 雄介(のじり・ゆうすけ)と申します。
熊本県八代市にて、明治38年創業の家業「野尻写真場」を継ぎ、現在は4代目として活動しています。
長崎大学で経済を学んだ後、アメリカ・カリフォルニア州の
Brooks Institute of Photographyで本格的な写真の技術と表現を学びました。
帰国後は地元に根ざした写真館を営みながらも、
国内外でのファインアートフォトグラフィーの制作に力を入れています。
お休みの日は、今年5歳と3歳になる2人の子どもとの家族の時間を楽しみに過ごしています。
Q② 野尻写真場の概要・歴史についてご紹介ください
「野尻写真場(のじりしゃしんじょう)」は、
1905年(明治38年)に私の曾祖父・野尻 弟三が創業しました。
創業当時は「ゾロトイローグ寫眞館」、として写真館をスタートさせました。
1918年に八代通町に野尻写真館を開業。
戦争の影響で2度移転し、現在地において4代にわたり、
八代のまちと地域のお客様と共に歩みながら、家族写真・婚礼・七五三・成人式など
肖像写真を中心に撮影してきました。
現在は、地域密着の写真館でありながら、
国内外のアートシーンにも挑戦する“地域発のファインアートスタジオ”として、
伝統と革新を両立させるために奮闘しています。
Q③日本代表としての出場されたWorld Photographic Cup2025について教えて下さい
World Photographic Cup(通称WPC)は、いわば“写真界のワールドカップ”。
世界中のプロ写真家が自国代表として参加する国際大会で、
私は今回、ナチュラルポートレート部門で日本代表に選出されました。
2025年大会は今年3月に南米・エクアドルのキトで開催され、
現地に赴いて授賞式と国際交流に参加してきました。
アジア人で唯一、表彰ステージに立つことができ、
日本代表の存在感を伝える大きな一歩となったと感じています。
Q④ そもそも大会にチャレンジしようとしたキッカケは?
きっかけは、熊本地震でした。
お祝い事が自粛されている中で時間ができ、
自分の写真がどこまで通用するのか試してみたいと、
八代港で撮影したウェディングの写真がWPC2017日本代表に選出されました。
また、自分の地元である八代/熊本の歴史や文化を、
写真という形で世界に届けたいという使命感も同時に芽生えたことも大きな転機でした。
国際大会という場に挑むことで、熊本からでも世界とつながれるというメッセージを発信したいと思っています。
Q⑤ 大会の結果と現地に行ってみて印象深かったことを教えてください!
結果として、大いに伸び代のある世界9位という評価をいただき、
日本代表としてナチュラルポートレート部門、初の「世界TOP10入り」を果たしました。
現地の授賞式では、作品が紹介されるたびに、観客や各国代表の方が大歓声をくれたのが印象的でした。
また、各国のトップフォトグラファーとの交流を通して、
写真という表現が国境や言葉を超えて通じ合えることを改めて実感しました。
文化の違いを尊重しながら、共鳴できる体験は一生の宝物です。
Q⑥ 今後の展望や夢について教えてください!
今後は、ファインアート写真の作品を国内外に向けて本格的に販売・発信していく予定です。
八代市の支援も受けながら、オンラインでのギャラリーサイトを立ち上げ、
地域文化と自分の表現を融合した作品を届けていきます。
また、未来を担う若い世代に向けて、写真を通じた地域教育や、
アートを軸としたまちづくりにも貢献していきたいと思っています。
Q⑥ おしまいに、リスナーの皆さんにメッセージをお願いします!
熊本の美しさ、八代の力強さを、私は写真を通して世界に発信しています。
みなさんの身近にも、人・モノ・風景問わずきっとかけがえのない「光景」があるはずです。
その一瞬を大切にして撮影を続けていきたいと思います。
いつかどこかで私の写真と出会っていただけたら嬉しいです。