2022年4月24日「熊本県北部こども食堂ネットワーク防災訓練」

今日は、4月17日に菊池市泗水町で「熊本県北部こども食堂ネットワーク防災訓練」を開催した一般社団法人ひのくにスマイルプロジェクト代表理事の茶木谷与和さんに本田みずえがお話をうかがいました。
 
茶木谷さん.jpeg
 
熊本県北部こども食堂ネットワークでは、こども食堂+1として何かできないかと考えたところ、熊本県は地震や水害など災害が多いところなので、地域に溶け込んで安心できる場所となっている「こども食堂+防災」ということで、プロジェクトを始動し、今回防災訓練を行いました。
 
訓練には、熊本県北部こども食堂ネットワークの所属団体をはじめ、消防団、民生児童委員、菊池市の防災課、地元の高校生なども参加していて、実際に発電機を動かしたり、防災トイレを組み立てたり、防災食の炊き出し訓練、がれきの上を安全に歩くために靴を細工する方法など、今後災害が起きたときに迅速に行動できるようにいろいろな体験をしました。
 
 
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簡易トイレ 四角を地面に固定して使用 上部に電気もつきます
 
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発電機 説明.jpeg
ガソリンを使う発電機
 
発電機 カセットボンベ.jpeg
カセットボンベを使う発電機
 
防災訓練では、防災食作りと試食会も行いました。こども食堂は「食」を提供しているので、安全安心、そして災害時にご飯を作る技術が生かされます。
 
親子丼サラダ味噌汁.jpeg
親子丼、野菜サラダ、みそ汁
 
6年前、茶木谷さんが熊本地震で被災したときは、お弁当や乾パンやお菓子などを食べて過ごしたそうです。被災時に美味しい温かいご飯が食べられると、心がほっと落ち着くし、笑顔があふれるのではと考えたそうです。子ども食堂は日頃から大調理をすることが多いので、被災時にはそうした子ども食堂の強みが生かされます。
 
親子丼 ビニール袋.jpeg
 
親子丼はビニール袋に、缶詰の焼き鳥、玉子、すき焼きのタレをいれて混ぜます。
 
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皆で一列に並んで説明を受け、作りました。
 
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ビニール袋の上部を割り箸ではさみ、お湯を沸かした鍋で約3分加熱。
 
ビニールから親子丼.jpeg
 
アツアツの親子丼が完成しました。
 
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箸には番号がついていて自分のものが分かります。感染症対策もできます。
 
干し野菜 各種.jpeg
 
野菜サラダは、キャベツや人参など干し野菜を使いました。ビニール袋が1人分です。
 
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ビニール袋に干し野菜、糸寒天、お湯を入れ、柔らかくなるまでもみます。味付けは、麺つゆやごま油、ゴマなど。
 
 
こども食堂のネットワークが防災倉庫を作ったり、防災訓練をしたりするのは、費用もかかることもあり全国的にもあまり聞いたことがないそうです。
倉庫はとても頑丈で広く、中にはいろんな防災用品を完備されています。
 
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このほど設置した防災倉庫 
 
防災倉庫 中.jpeg
 
ブルーシート、毛布、発電機、簡易トイレ、救急用品、オムツ、段ボールで作れる部屋もあり授乳室等に活用できます。これだけ揃えておけば、災害直後数日を乗り切ることができそうです。発電機はスマホの充電等も出来るようなタイプも含め、10台と多めに揃えました。
 
水、わかめご飯.jpeg
 
もう一つの防災倉庫には、水やわかめご飯が備蓄されています。
 
訓練に参加した、山鹿こども食堂百華の豊田真紀さんは、大規模な訓練で災害が起きたときにいかにすばやく行動できるかということを感じることができた。特に、いろんな食材を利用して作る温かい防災食は、日頃から考えておけばいざという時に役に立つと思ったそうです。
 
茶木谷 豊田.jpeg
 
豊田真紀さん(左)
 
参加者の各地域の民生児童委員の方は、防災食作りは簡単に20分くらいで1食ができてびっくりした。また試食してみて、家で作るより美味しいかもというくらい美味しかった。とても勉強になったと話していました。
 
防災訓練には、地元の高校の先生、生徒の皆さんもボランティアで参加していました。
 
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地域とのつながりが深いこども食堂という特性を生かしたこのプロジェクトは、他の地域でも備えの取り組みとして参考になるのではないでしょうか。
 
ひのくにスマイルプロジェクトの取り組みについては、こちらをご覧ください。
 

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番組内容

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