2024年9月1日「くま川鉄道の多良木駅の点字ブロックを修繕 加藤英理さん」
今日は、ブレイルフレンドリープロジェクト代表で点字アート作家の加藤英理さんに本田みずえがお話を伺いしました。
これまで、作品展やグッズの制作・販売をとおして熊本地震や九州豪雨の被災地支援を続けてきた加藤さんは、豪雨で被災したくま川鉄道の多良木駅の点字ブロックを修繕しようと、クラウドファンディングでおよそ60万円の資金集めました。
7月29日、30日に行われた修繕作業には、南稜高校、球磨工業高校、第二高校の生徒さん述べ30人が参加。地元の建設会社の社員の指導を受けながら、点字ブロックを新しいものに交換したり、色を塗りなおしたりしておよそ60㍍を修繕しました。この取り組みについて、お話を伺いました。
ブレイルフレンドリープロジェクトは、「ブレイル」は英語で点字という意味で、”点字と友達になろう、親しもうという”プロジェクトです。私は楽器を演奏するのが趣味で、市民楽団で病院や施設にボランティアで演奏に行っていました。県立盲学校に行ったとき、楽器の紹介をするときに「見ての通り、私の楽器はさっきの人の楽器より一回り大きいんだよ」と言ってから、盲学校で見ての通りっていう説明は相応しくなかったと気づき、それがきっかけで目が不自由だということを改めて考えるきっかけになりました。
これまで点字や視覚障害の方について、一般の方が楽しみながら興味を持つきっけかになるような活動をしてきましたが、活動を長く続けていると点字ブロックの並べ方が変だとか、壊れているとか、自動販売機にも点字がついているんだとか気づくようになって、点字ブロックが傷んでいるのがずっと気になっていました。
誰にどう言えばいいのかも分かず悩んでいたときに、人吉の豪雨災害が起きたんです。人吉には作品展などで行っていたので何か協力できないかと考えたときに、点字ブロックの補修を手伝えないかとくま川鉄道に話を持ちかけて、補修のプロジェクト立ち上げを許可していただきました。
修繕の資金は、クラウドファンディングで集めました。くま川鉄道に限らず、災害のときは線路の復旧が優先されるので点字ブロックなどは後回しになりがちです。そこで一般の方から広く少しずつ資金を募ったらどうかと考えました。資金は60万ほど集まりました。
補修は距離が60メートルで、新しく張り直したのが70枚、色を塗り直したのが100枚ほど。1枚が30センチ×30センチなので、結構枚数が多くてお金もかかるんだなと分かって、これは行政や鉄道会社だけが負担するのは無理があるのかなと思い、広く皆さんから資金を募る意義を再確認しました。
作業は、7月29日、30日に点字ブロックを剥がす、貼る作業を、地元の南稜高校、球磨工業高校、第二高校の美術科の生徒さん述べ30人が参加してくれて行いました。
普段から地元の学生さんと交流を持たれている地元の味岡建設さんに施工の協力をお願いして、親切に指導していただき、専用の機械などもお借りしました。猛暑の中での作業でしたが、高校生の夏休みを利用して頑張っていただきました。
くま川鉄道は、点字ブロックがない駅もありますし、点字ブロックが傷んでいる駅もありますので、会社と相談しながら第2弾、第3弾をやっていきたい。来年が全線復旧と聞いていますので、それに併せて新しい点字ブロックで皆さんを安心安全にお迎えできるようなお手伝いをしたいです。
撤去した点字ブロックは、第二高校美術家の生徒さんたちが、アート作品に仕上げ、一部はクラウドファンディングの返礼品として利用されます。
視覚障害者にとっての点字ブロックは、危険な場所や目的地を表す案内表示ですが駅のような場所では、命綱にもなる大事なものです。こうした加藤さんの取り組みを応援したいですね。
この番組では、熊本地震に関連して、取り上げて欲しい要望やメッセージなどもお待ちしています。アドレスは、with@fmkumamoto.jpです。