2025年6月1日 レスキューサポート九州理事の木ノ下勝矢さん

今日は、レスキューサポート九州理事の木ノ下勝矢さんに本田みずえがお話を伺いました。

 

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本田:熊本地震の際はボランティアで駆けつけてくださいました。大分在住でいらっしゃいますが熊本地震のボランティアの様子から教えてください。

木ノ下:熊本地震は2回ありましたが、すぐ出かけていきたいというのは友達とか知っている人がいたのでとにかく行ってみようということで出かけていきました。

御船にある高齢者施設にまず行ったんですね。あそこは道がなくて、グラウンドにSOS水とか書いてあるという情報があったのでそこへ出かけて様子を聞いたりとか。呉服町というところの居酒屋さんのゲンさんという人と懇意だったので、物資を持って出かけて行ったり。

とりあえず行くときに大分の中津市に大分製紙戸というトイレットペーパーを作る会社があるので、そこへトイレットペーパーをいっぱいもらいに行って、一番不足しているというのでそれを車に積んで情報収集も含めて行ったのが最初です。

本田:あのとき被災地の熊本は情報が錯そうしていたんですが、正しい情報が伝わったのは、もともと木ノ下さんは地域づくり活動をされていてそのネットワークがあったからということですね。

木ノ下:そうですね。私たちの活動は、誰かに指示されてということではなく、自分たちが自分たちでできることをというのがモットーですので、まず現地を見て、何にどういうことに困っているのかとか、その困りごとをどういうふうにしたら解決するのかとかということをまず知る、自分たちで体験するというところから始まったんで。

まあ交通規制とかいろいろありましたが情報交換しながら何が必要かということも含めて情報収集をしました。

本田:木ノ下さんは、阪神淡路大震災、そのあとの東日本大震災などでもボランティア活動をされてこられましたので被災地に何が必要か、何が求められているのかということをすぐに把握されて持ってきてくださったんですね。

木ノ下:そうですね。熊本地震の時はボランティアという方たちが一気に押し寄せてきて、とにかく行こうみたいな人たちが来ていて、統制が取れていなかったりリーダーがいなかったりもありました。東日本大震災の時にボランティア活動をしていて結構補助金がでたりしてそういうことを知っている人たちが東北からも随分やってきたんですね。

で、ある団体が蝶々さんと写真を撮ってそれをネットにあげたりして信用を上げていろんな不正をやったりとかそんな事例もあったりして。ボランティア活動をする人たちは何ができて、何ができないということと、身元というか信頼される関係作りがまず必要で、全部道具を出してあげたりすると助けられる側はいや持っていかないでとかそんなに出さないでとかいうことがあったりして結構混乱するんです。

コミュニケーション取り方って、助ける側と助けられる側がうまくマッチングしないと、いいことをやっているという部分といらない世話をやくなみたいな部分があり非常に難しいですね。知らない人が来て突然「荷物出してあげますよ」みたいなことを言われても困るのでそのへんをどうするかというのが今からの課題だと思います。

本田:昨年正月の能登半島地震もそうですがいろんなところで災害が起きて、防災や災害後の活動にも力を入れているということですが、今理事をされているのが木造モバイル建築協会ですね。

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木ノ下:応急仮設住宅の復旧、要するに仮設住宅を備蓄しようという考え方です。住宅を備蓄って今までないじゃないですか。ただ建物があるだけで災害に備えるって無駄ですので、平常時は例えば児童クラブや防災学習の部屋として使用していて、災害が起きた時はそれを提供してあげるという形でやると復興のときにすぐに対応ができるということで、国難級の災害のときに備えて住宅を備蓄という考え方です。

要するにばらして組み立てる、それもプレハブとかではなく建築確認がきちっと取れるかたちの木造、しかも地元の材料を使った建物にすると、居住性もよく耐震性もあるという建物を提供するということを今提案しているんです。

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本田:能登半島地震もそうですが、災害が起きるとその土地の過疎化に拍車がかかることがありますね。

木ノ下:だって住むところがないと、仕事がないとどこかに行くしかないというのが現状ですよね。やはり能登の場合でも助けに行く人が住む場所がない、作業する時間もない、通勤すると全然作業ができないということもあって、こういうものを利用して居住してもらって、観光の旅館とかがだめになっている人たちの仕事も作ってあげながら復旧に役立つための取り組みをするというふうに、今までの防災対策とか普及対策の考え方を変えていくような取り組みをやらないと、避難所をよくしようということだけではなかなか解決しないのかなと思っています。

本田:これからの防災はどのようにあったらいいなとお考えですか?

木ノ下:例えば時間軸で発災直後の対策をどのようにするかと、72時間くらいをどう生き延びるかと、それから元の形に戻るまでの取り組みというように分けてやらないと、災害が起きた時だけのこととか、物資を置いていたらいいよということだけで終わってしまいやすいので、長いスパンで自分がどの部分をやるとか。

熊本地震では友達の家を見せてもらったんですが、備蓄はいっぱいしていたんですね。家では仏間が一番強いからとそこに置いていたら、そこまで行きつかなかったということもあるので、物の置き方など今まで考え付かなったけど被災を経験した人たちの声をたくさん聴いてあげるということで何か解決に向かう方向が、減災とかにつながるんじゃないかと思います。時間軸と被災者の経験をきちっと聞いてあげるということが大事かなと思います。私はそれを随分聞き取りをやりましたてそれを訓練に生かしているということです。

 

この番組では、熊本地震に関連して、取り上げて欲しい要望やメッセージなどもお待ちしています。アドレスは、with@fmkumamoto.jpです。

 

 

 

番組内容

毎週日曜日 9:45~9:55

平成28年熊本地震、そして、令和2年7月豪雨後から取材したさまざまな声をラジオからお届けし、その想いの輪をつなげていきます。
一つ一つの想いに寄り添いながら、熊本の明るい未来へ向かって、一緒に歩んでいきましょう。

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