2025年8月3日「防災収納インストラクターの松永りえさん」

今日は、防災収納インストラクターの松永りえさんに本田みずえがお話を伺いました。

 

松永りえさん1.jpg

 

診療放射線技師として勤務していた松永さんは、整理収納アドバイザーの資格を取得後、2015年に整理収納アドバイザーとして起業。翌年起きた熊本地震で被災した経験から、防災と収納を組み合わせた“命を守る片付け術(防災収納)”を広める、防災収納インストラクターとして活動をはじめました。現在は、セミナー・SNS・書籍などを通じて、「暮らしに根ざした防災」の大切さを伝えています。この仕事をすることになったきっかけや、現在の活動などについてお話をうかがいました。

本田:防災収納インストラクターとして活動するようになったきっかけから教えてください。
松永:元々整理収納アドバイザーとして、お宅に行ってサポートしたりとか執筆させていただいたり発信とかしていたんですが、熊本地震で被災して、安全という自負はあったんですが、実際はテレビは倒れるし雑貨も落ちて割れましたし、ライトも落ちて割れて命の危機を感じたんです。そこから安全に片付けないと意味がないと痛感して見栄えだけ、機能だけの片付けではなくて土台となる安全、防災ということを考えながら本当の片づけというかそれを広めていきたいという思いでこの活動をしています。

本田:経歴を拝見しますと診療放射線技師として10年勤務されていたそうですが、そこから整理収納アドバイザーを取ろうと思ったのはなぜですか?
松永:もともとインテリアは好きで、家の模様替えだったり飾ったりとか好きだったんですね。でも本当に映えるというか素敵な暮らしをしようと思うとどうしても片付けが切っても切れないというところで、そこから学ぼうと思いました。

本田:それで熊本地震を経験したことで整理収納に防災がくっついたわけですね。
松永:片付け自体が防災だと元々思っていたんですが、やはり奥深くて。物1つをどこにしまうかでもルールがあるんだなというのを私自身気づいたし、知ってもらいたいなと思っています。

本田:安全のために整理収納が大事というのは頭で理解していても普段なかなか行動に移せないのですが、松永さんは収納や防災をテーマにしたセミナーもたくさん開催されていますね。
松永:片付けセミナーはずっとやっていてそれにもたくさんの参加者が来てくださっていたんですが、片付けイコール防災というのがイメージできない方が多くて。防災って入り口は何でもいいと思っていて、アウトドアでも片付けでも、いかにハードルを低くしてまたいでもらうかというところが大事だと思って。片付けイコール防災ということをセミナーでお伝えしています。

本田:参加者の皆さんの声をアンケートなどで聞いたことはありますか?

松永:「片付けが防災になるんですね」と、そこから驚かれる方が多いですし、セミナーで私が一方的に喋るのではなくて、ご自身の家を想像してもらいながら、不安なところや危険なところを書き出すようにしていただいているので「家に帰ってすぐに改善できる、片付けできるところがやりやすかったです」という声をいただいています。

本田:SNSのInstagramでも7.7万人のフォロワーがいらして日々いろんな情報を発信されていますね。
松永:元々写真撮るのが好きでしたし、もの選びが好きだったので、10年くらい前からやっていたんですが、防災ということを考え出したのは熊本地震の後からです。フォロワーさんも物が好きな方も防災に少しずつ興味を持ってくださって、地震があるたびに興味をもってくださって今に至ります。

本田:これまで3冊の本を出版されていますが、8月6日に4冊目の著書、「地震に強い収納のきほん」という本が発売されますね。
松永:タイトルのとおり、私自身の経験やいろんな方から聞いた熊本地震の話や、東日本大震災の視察に行った時の話などを見聞きする中で伝えたいと思うことをギュッとまとめた本です。基本的に我が家でやっている収納の写真を真似しやすいようにカラーで載せています。そんなにすごい収納倉庫があるわけではないし、たっぷり備蓄があるわけでもないです。隙間にこういうものを入れていますということ写真でお伝えし、なぜそこに置いておくのか、なぜこの非常食を選んだかなどもわかりやすくお伝えしています。

 

松永りえさん 本.jpg

 

本田:表紙には「あなたの家、安全ですか?」ということで、「廊下や玄関は段ボールの仮置き場に」「防災用品は1カ所にまとめてストック」「使い勝手が一番のだしっぱなし収納にしがち」「なぜかいつもものを探している」というチェック項目もありますね。
松永:これはNGのチェック項目なんですが、意外と一カ所にまとめてストックとか、いいようで実はNGなんです。そんなところから気づいていただけたらと思います。

本田:これからの活動目標を教えてください。
松永:セミナーとかやらせていただきますが、私が一軒、一軒おじゃましてサポートするのは現実的に難しいので、できればこの本を読んでいただいてご自宅で片付けたり、安全対策をするのは誰でも自分でできると思いますし、それで命が救われるならと思って本を書かせていただきました。できれば全国の家を安全にしたい、家の中で亡くなる人をゼロにしたいという思いで活動しています。

 

松永りえさん2 本持つ.jpg

 

松永りえさんの4冊目となる書籍「片付けで命を守る、在宅避難がかなう 地震に強い収納のきほん」は 8月 6日(水)に発売!書店やインターネットで購入できます。

 

この番組では、熊本地震に関連して、取り上げて欲しい要望やメッセージなどもお待ちしています。アドレスは、with@fmkumamoto.jpです。

 

番組内容

毎週日曜日 9:45~9:55

平成28年熊本地震、そして、令和2年7月豪雨後から取材したさまざまな声をラジオからお届けし、その想いの輪をつなげていきます。
一つ一つの想いに寄り添いながら、熊本の明るい未来へ向かって、一緒に歩んでいきましょう。

with@fmkumamoto.jp
メッセージフォームはこちら>