熊本市中央区本荘、産業道路沿いにあるお寺「真言宗 本蔵院」。
今からおよそ90年前、昭和2年(1927年)に現在の場所へ移ってきた、歴史のあるお寺です。
また、京都の総本山 醍醐寺とつながりのあるお寺でもあります。
本蔵院自体も地震で大きな被害を受ける中、住職の藏本 崇正(くらもと そうしょう)さんに、
地震で傷ついた熊本の復興支援の一つとして企画されている事について、話を伺ってきました。
(住職が抱えているのが、法螺貝です)
自身も被災した中、自分に出来ることは?と
藏本住職が、企画されたのが「百螺祈願」。
歴史を紐解けば、加藤清正公が熊本城を築城する時、
全国から山伏を招いて、地鎮祈願を行ったそう。
そこで、山伏をルーツに持つ全国の醍醐派の僧侶約100名を集め、
百丁の法螺貝の音をたて(鳴らし)ながら、熊本の街を歩き、
地震で傷ついた熊本を鎮める地鎮祈願が行われます。
約400年ほど前に行われた史実を現代に再現させる!という
壮大な企画になってます。
また藏本住職は、新たなシンボルとなるような事も企画されていました。
太閤 豊臣秀吉公が愛した
『醍醐の桜 太閤しだれ桜』のクローン桜の植樹を
熊本城と阿蘇神社に行うというもの。
地震をきっかけに、秀吉公が愛した桜が、家臣 加藤清正公が築城した熊本の地で
長きに渡って、花を咲かせる事になりそうです。
11月7日と、8日の2日間行われる、この「百螺祈願」。
7日(月)は、お昼12時15分に本蔵院を出立し、2時頃から加藤神社で法要と植樹式が、
8日(火)は、朝8時に阿蘇の国造神社を出立し、10時頃から阿蘇神社で法要と植樹式が行われる予定です。
取材で伺ったとき、住職に法螺貝を吹いて頂きました。
「法螺貝を楽器として扱う人にはいい音はだせない。」
「仏様のように扱い、心を込めて吹かなければ」、と住職。
全国から集まる100人の山伏による、100丁の法螺貝は、私達の心にどう響くのでしょうか。
住職達は、無言で、ほら貝をたて(音を鳴らし)ながら歩かれますので、
心を一つにして、一緒に復興への祈りを捧げましょう。