今日は、熊本地震の復興応援がきっかけで熊本県の職員から益城町の職員へ転身した戸上雄太郎さんに本田みずえがお話をうかがいました。
昨年4月から益城町の職員となった戸上さんは、現在、総務課町長公室で部署を横断する課題の解決に向けた調整などを担っています。
益城町の仮庁舎
2階 総務課町長公室
戸上雄太郎さん
熊本地震から2か月後に県から派遣された戸上さんは、復興課に所属して復興計画の策定を行いました。計画をつくるにあたり、町の皆さんがどのような町に復興したいのかという考えを一番大事にしたいと思い、地区ごとに意見交換会を開くなどして復興系策を策定。
意見交換会では、10代、20代、現役世代の参加がほとんどなかったので、そうした方の意見をなかなか拾えない、また参加の高齢者からも将来を考えるのなら主役になる若い人の意見を反映してほしいという声があったので、若い世代の意見を生かしたまちづくりを意識したそうです。
約3年間の派遣を経て、県企画課へ戻りましたが、後ろ髪をひかれる思い、心にぽっかり穴が開いたような複雑な心境だったという戸上さん。
県では、全国知事会を通した都道府県との調整や国に県が要望する際の取りまとめ、コロナ対策の臨時交付金の取りまとめなどを担当し、県政全体の流れや組織内における意思決定のプロセスなどの業務で経験を積むことができました。
そうした仕事の合間を縫って、若い人の意見を吸い上げてそれを町の行政に反映させていく仕組みを作ることが大事だと考え、自分でワークショップを企画して、町の復興に繋がるようなイベントを実施したり、特産品を開発したり、復興に繋がる地域づくりをやっていきました。そうしたワークショップなどを通じて、町のことを知ったり興味を持ってくれた高校生・大学生もいて嬉しかったそうです。
転職を考えた理由については、県、市町村両方を経験したことでそれぞれの良さ、役割の違いなどを知ることができたが、益城町の復興を目指すための課題は何なのかを自分で考え、主体的に物事を動かしていけるというのを魅力に感じた。また復興の道半ばで町を離れたことに対する寂しさもあり、益城町の復興をなしとげるまで自分の力を注ぎたいと思ったのが大きな理由でした。
転職を応援してくれる上司や同僚は多かったが、中には「変わっている」とか「もったいない」という人もいたそうですが、自分の熱量を注げる仕事をしたいという思いが強かったので、後悔はないという戸上さん。
現在は、「仮設にまだいる方の再建をどのように支えていくか」、「町の賑わいをにぎわいをどうやって取り戻すのかなど」複数の部署にまたがるような重要な課題を調整しながら解決策や方針を導き出すような仕事をしている。そうした業務に取り組みながらも、復興のさらに先の未来をイメージして、今後の町づくりを職員のみんなと進めていきたい。県職員時代に身につけたマインドを活かしながら、町職員とのハイブリッドのような立場で、自分ができることを進めていきたいとおっしゃっていました。
この番組では、熊本地震や熊本豪雨に関連して、取り上げて欲しい要望やメッセージなどもお待ちしています。
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