今日は、風戸南陽子が、熊本大学の五高記念館リポートをお届けしました。
1889年に建てられたレンガ造りの五高記念館は、国重要文化財に指定されています。
熊本地震で被災しましたが、昨年12月までに復旧工事が完了し、
明日(4月4日)から一般公開が6年ぶりに始まります。
館長の伊東龍一教授に案内していただきながら、
館内の様子やこれからの活用方法などを伺ってきました。
(ご案内いただいた伊東教授)
被害状況なども伺いながら、館内を歩きました。
中央階段部分でのお話です。
この上にある煙突が壊れ、雨漏り。
水がツタってきて踊り場付近まで水浸しになったそうですが、
カビが生えて美しくない状態から今は、綺麗に治っています!
赤レンガの建物は建設当時は珍しいものでした。
国を挙げての建築工事には、最新の技術が使われていました。
レンガの建造物としてもこんな立派なものは
日本中を探してもあまりなかったそうです。
地震でよく耐えたものの
煙突が折れただけでなくダメージは大きいものでした。
昔の復元教室もありました!
木の机と椅子。ペンを置くところ、インクを置く窪みも!
机は上に開くタイプ。椅子と一体になっています。
大きな黒板は昭和2年のもの。
裏から昭和2年に替えたという記録が出てきたそうです!
今回の修理はただ元に戻すだけでなく、
調査をし、色んな発見があるとのこと。
また、同じような地震が来た時に
二度と同じようなダメージを受けないように
新しい技術を用いて補強もしています。
館内を進んでいくと・・
壁に漆喰を塗らずに残した教室も。レンガが見えています。
地震を受けた痕跡を見せています。
明治のものはないかと思われる黒板が
昭和2年の黒板の裏から出てきたそうです!
一般公開でもそのまま見せていきます。
最後に、今後の活用についても伺いました。
「五高という近代日本を支えてきた人々を社会に輩出していった大事な教育施設が
どういうものであったか伝えていきたい。
夏目漱石やラフカディオ・ハーンなど有名な教員以外にも、
素晴らしい先生方がいらっしゃった。
校長では、柔道で有名な加納治五郎先生。
学生達には、総理大臣や寺田寅彦さんのような科学者も。
あるいは、戯曲をかいたり、文学者になったり。
理系文系を越えてあらゆる分野で活躍しておられる。
それを多くの方々に知っていただけるような博物館にしたい。」
と、伊東教授は話してくださいました。
建物は、構造や地震の被害も見せながら、
国の重要文化財の価値がよくわかるような展示にしていくそうです。
復旧工事が完了した熊本大学の五高記念館を訪れてみませんか?
ともに国重要文化財の化学実験場、工学部研究資料館も復旧が完了しています。
詳しくは、熊本大学HPをご覧ください。
https://www.kumamoto-u.ac.jp/