今日は、熊本県立第二高校1年・美術家の生徒さんが制作した自然災害伝承碑を本田みずえが紹介しました。
2019年に自然災害伝承碑の地図記号が出来たことをご存知でしょうか!生徒の皆さんは、探求の時間に国土地理院のHPで自然災害伝承碑がどんな所にあるかを調べて現代の自然災害伝承碑のデザインを考え、石膏カービングで制作しました。
この作品は11月20日(水)、21日(木)にグランメッセ熊本で開催される「先進建設防災・減災技術フェア」で展示されます。
フェアに参加することになった経緯について、染森 千佳(そめもり ちか)教諭にお話をうかがいました。
本校はSSK校(スーパーサイエンスハイスクール)として第5期ですが、前回第4期のとき「熊本の創造的復興に寄与する人材を育成する」ということを目標に掲げて「防災・減災技術フェア」に参加させていただきました。
参加する際はKSC(クマモトサイエンスコンソーシアム)名義で出展しています。KSCというのは、熊本県のSSH校と大学が協定を結んだ団体で、第二高校はその事務局として運営をしています。
昨年の防災・減災技術フェアで2019年に自然災害伝承碑の地図記号ができたことを知りました。美術科の生徒が自然災害伝承碑のマークを使ったポスターを制作していたので、関連があるなと思って持って行ったところ、参加していた研究者や団体からの反響が大きかったので、これは高校生の探求に活用するともっと良い内容になるのではないかと思いました。
吉川 尚希(よしかわ なおき)さん
津波の波を量感を持ったまま表現することを目標にしました。「津波は壁である」という例えがありますが、壁は海や人々を支える基盤になるものでもあるので、支えるというイメージも含めてこの形にしました。「人が死なない防災」という本を参考にして作ったのですが、「津波は壁である」という言葉もその本に書いてありました。2〜3メートルの大きさで、いろんな人が目にする海沿いの公園に置いてほしいと思います。
関 風佳(せき ふうか)さん
火山から噴出されるマグマを開きかけの花で表現しました。開きかけの花を造形することで、どんなにひどい被害が出ても草花のように何度でも芽吹ける、復興できるという未来への希望が持てるようなデザインにしました。地震や津波は体験したことがある人が多いと思いますが、火山災害は場所が限定されていて多い災害ではないと思います。事例が少ないことは怖いと思うので、その不安が少しでも払拭出来たら良いなと思い作りました。上の花をツルツルにするときに、細くしすぎると折れたり、欠けたりするので、太さを工夫しました。花の表現を見てほしいので、つま先立ちで見えるくらいの150センチ〜200センチの大きさで、被害がひどかった場所に置いてほしいです。
加藤 寧雄(かとう ねお)さん
津波の形をした曲線がデザインのポイントです。熊本は津波の被害を体験したことがある方は少ないと思いますが、江戸時代には熊本でも津波の被害がありました。そこで津波の防災意識を持ってもらいたいと津波をモチーフにしたデザインにしました。実際の津波の大きさがイメージできる4,5メートルで、熊本県内で実際に津波の被害があった場所に置いてほしいです。
坂本 風香(さかもと ふうか)さん
山の土砂災害をイメージして、削られた感じを再現した自然災害伝承碑を作りました。シンプルな形で、相手に伝わりやすくしています。砂時計にも見立てることで時間は流れていくけれど、何年経っても山(自然)を守り続けることは変わらないという思いも込めています。2〜3メートルの大きさで、土砂災害の被害があった場所や山の近くで建物が多くあるところに置きたいと思います。
由見 真子(ゆうけん まこ)さん
”命の重さ”をみんなに感じてもらいたいと思い、直に命を感じられる卵に形にして、殻には津波をイメージしてうねった模様を入れました。模様を入れることで殻のもろさ(命のもろさ)が伝わればいいなと思います。自分では100点の仕上がりです。大きさは、3〜4メートルで、東日本大震災の被害があった宮城県などの被災地に置いてほしいです。
小学校2年生の時に熊本地震を経験したという生徒の皆さんが、その体験も踏まえて思い思いに制作した自然災害伝承碑は、11月20日(水)、21日(木)にグランメッセ熊本で開催される「先進建設・防災・減災フェアin熊本」で展示されます。ぜひご覧ください。
この番組では、熊本地震に関連して、取り上げて欲しい要望やメッセージなどもお待ちしています。アドレスは、with@fmkumamoto.jpです。