3月16日(金) くまもと☆農家ハンター 稲葉達也さん

今回は想創舎の岡村政志さんと一緒に、
くまもと☆農家ハンター プロジェクトリーダーの稲葉達也さんにお話を伺いました。
 
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肩書きのイメージから「農家をハントする」と思われることもあるそうですが(笑)、
実は、熊本県宇城市三角町でみかん農家を営みながら
猪や鹿といった鳥獣被害対策に取り組まれています。
それ以前は宇土市役所に勤務なさっていたり、
宇土マリーナやフィッシャリーナ天草でもお仕事をなさっていたそうです。
海から山へ生活拠点を変えられたのも興味深かったですね。
 
 
調べによる熊本県の鳥獣被害は 平成28年度で約5億円。
その内55%(約2億7000万円)が猪による被害というから驚きました。
宇土半島にも猪がかなりのスピードで増え続けているそうです。
 
 
くまもと☆農家ハンターは2016年4月に発足して、メンバーは熊本県内の80名以上の
20〜40代の若い農家の皆さんです。
IoT(モノのインターネット)の技術を駆使して遠隔操作で罠を仕掛けたり、
畑の見回りも出来ると知って、狩猟技術の進歩を感じました。
京都大学の先生達にも協力いただき、赤外線カメラを搭載したドローンで
猪の生態調査も出来るそうですよ!
 
 
くまもと☆農家ハンターは補助金を受けず、クラウドファンディングで活動資金を集めていて、
4回目にして全国から267万円の応援があったそうです。
これは箱罠やIoTカメラの購入などに充てていらっしゃいます。
 
猪の捕獲だけではなく、防御も大切だということで講習会も開催なさっています。
電気柵や鉄柵を使って、猪が畑に近づかない工夫も必要なのですね。
 
いただく命を無駄にしないためにも、今後は猪の解体施設を作りたいそうです。
猪肉をジビエとして販売したり、ペットフードや肥料に利用もできて、
皮は細工して名刺入れなどにすることで「厄介者」とされる猪を「自然の恵み」にする事が
出来ると良いなと感じました。
 
 
これから10年が大切な時期だそうです。
その為には農家や狩猟の先輩方から技術を学び、さらに若い担い手に伝えていくこと。
そして全国各地にリーダーを育成することを目指していらっしゃいます。
 
 
若い頃にヨット競技で国体へも出場経験がある稲葉さんは、昨年、
4カ月間でヨーロッパ(スペイン、イタリア、クロアチア、モンテネグロ、ギリシャなど)を
ヨットで周ったそうです! 
そんな稲葉さんが“ZERO”になれたのは、地中海に吹く気持ちの良い風を浴びた時。
そこで心に浮かんだのは、帰国してから鳥獣被害対策をやらなければならない使命感でした。
 
 
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今回のインタビューの際に頂いた くまもと☆農家ハンターの皆さんが写っているクリアファイル。
稲葉さんの温かい人柄に自然と周りの農家さんが集まってきたのだなと感じる素敵な写真です。
今週の月曜日に、稲葉さんから宇城市で猪を捕獲したと画像を送っていただきました!
その時の関係者さんの嬉しい顔が眼に浮かぶようでしたよ。
 
稲葉さんも仰っていましたが、猪に罪はないです。
私たち人間が動物とのバランスを保って生活していかねばと感じました。
その為にも、これからの くまもと☆農家ハンターの活躍に期待します!
 
 
 
Sakiko Yoshimoto

Program info

熊本市中央区安政町にあるサテライトスタジオ「ZERO」。
金曜日の夜、第一線で活躍する様々な人たちが集まり、ゼロから広がる無限の可能性を求めて、クリエイティブな会話が行われます。
今回はどのようなケミストリーが生まれるのでしょうか・・・