4月13日(金) リストランテ ミヤモト 宮本けんしんさん

今回 タンクマ編集企画部チーフの今村幸子さんとお話を伺ったのは、
辛島町にあるイタリアンレストラン「リストランテ・ミヤモト」の
オーナーシェフ 宮本けんしんさんです。
プライベートでも今村さんと仲良しという宮本さんは人柄が明るくて、取材中も笑いが絶えませんでした。
 
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「お店以外の活動が凄いんです!」と仰る今村さん。
宮本さんは熊本県産の食材を中心に、生産者さんから食材を提供していただき料理をするという
レストランのオーナーシェフです。
これを始めた頃ご本人は”地産地消”という認識は特になかったそうで、他人とは違った食材を
使いたいこと、たまたま素晴らしい食材を作っている人達が熊本にいらっしゃって僕は運が良かった...と、
とても謙虚な姿勢が印象的でした。
 
「自分の舌を信じること」も大切で、それによって頑張って一緒に成長してくれる生産者さんとも
めぐり逢えたそうです。
熊本は実は凄いところで、海抜0〜700メートルまで一年を通して農業が出来る恵まれた県は
他にそんなにない事を熊本県民に伝えたいそうです。
2011年から阿蘇の農業遺産認定に尽力なさって、2013年に晴れて認定された時は全国のメディアから
取材がきて、TVで泣いているところも映ってしまったという宮本さん。
それ以来、世界中と日本各地で講演をしたり料理を作ったり、熊本の魅力を
発信し続けていらっしゃいます。
タンクマでも読者にその事を伝えられたようで、
「ストーリーが分かると美味しさも増しますよね」という今村さんの一言に頷きました。
色んな取材を受ける宮本さんですが、自分1人では出ずに、必ず生産者さんと一緒に出ることが
スタンスだそうです。
 
 
宮本さんは熊本地震関連のボランティア活動にも当初から積極的でした。
お店近くの慶徳小学校が避難所になった時も、農家さんからの物資の支援や全国のシェフからの
お手伝いも加わって「自分が出来るからやろう」と何千食も提供なさいました。
東京の落合務シェフからも支援の声がかかったそうで、宮本さんの人柄の素晴らしさが分かりますよね。
宮本さんのご実家は山鹿市で、熊本地震直後は山鹿へ行くのに7時間半もかかったそうです!
300リットルの水を各地に提供したり、アレルギー体質の人への食事や離乳食を作ったりと
プロパンガスだから料理が出来たんですという宮本さんには頭が下がります。
 
 
益城町でも被害が甚大だった東無田集落は全壊集落で、そこで地域の皆さんと「素うどん」を
いただいたそうです。
この経験から「最初の晩餐」を思いつかれました。
多くのメディアも協力してくれて100人以上が集まった出張レストランが実現したんですね。
炭で火をおこした後の熾火でホイルに包んだ肉を焼いた時に、火と向き合った宮本さんは
改めて料理の根源を考えました。
ベースはイタリア料理の専門家ですが、今では世界中(北アフリカ、中央アジア、南米)の
肉料理を研究するまでになりました。
「基本飽きっぽい性格なんです」という宮本さんは自身によくお題を課すそうです。
例えば限られた食材を組み合わせて料理を作るとか。
そういったことがクリエイティビティに繋がるのでしょうね。
 
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多忙な宮本さんが“ZERO”になれる時は、阿蘇の産山村にある草原から見える景色を見るとき。
田尻地区から見る風景がイタリア トスカーナの風景に似ているそうです。
「良い風が吹いたような気持ちになった〜」という今村さんの言葉に私も頷きました! 
 
 
Sakiko Yoshimoto
 

Program info

熊本市中央区安政町にあるサテライトスタジオ「ZERO」。
金曜日の夜、第一線で活躍する様々な人たちが集まり、ゼロから広がる無限の可能性を求めて、クリエイティブな会話が行われます。
今回はどのようなケミストリーが生まれるのでしょうか・・・