5月11日(金) ろじぱん 藤井敏彦さん

今回はタンクマ 編集企画部 編集長の小崎信夫さんと一緒に
ろじぱん 代表取締役の藤井敏彦さんにお話を伺いました。
 
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藤井さんは熊本のパン好きが愛してやまない人気のパン屋さんを展開なさっていて、
小山本店、菊陽店、古城店(まちろじ)、そして昨年 上通並木坂にオープンしたお店4店舗の代表なのです。
それぞれのお店が個性あるパン屋さんなのだそうです。
小山本店のカフェスペースは親子でゆっくり寛げるし、年に数回ワークショップも開催されています。
 
とにかく普段から多忙な藤井さん。
ですが、藤井さんの話す口調やテンポが穏やかなので小崎編集長も私もホワンとした気持ちになりました。
 
パン屋さんを始める前はサラリーマンだった藤井さん。
16歳から接客業や飲食業に興味があったそうで、カフェで働いた経験もありました。
ある社長さんから飲食店での勤務に誘われて、藤井さんは30歳で脱サラし、
最終的に行き着いたのがベーカリーというお仕事でした。
というのも藤井さんのお母様がもともとパン屋さんで、お母様が体調を崩してパン屋を辞めた後に
その設備を使ってパン屋をやりたいと思った藤井さん。
はじめは仕事の大変さを知っているお母様から反対されたそうです。
それでも諦めなかった藤井さんの頑張りを見てか、菊陽店がオープンした時には
お母様も一週間お手伝いに駆けつけてくださったそうです。
現在は並木店で働く藤井さんにアドバイスをしたり労ってくれるというお母様の存在は
ありがたいだろうなと思いました。
 
 
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「こんなパンが熊本で焼けるんだ」と絶賛する小崎編集長のお気に入りは、
看板パンの「黒糖パン」だそうですよ。
ここまで「ろじぱん」が有名になるまでにはかなりの苦労があったそうです。
最初はパン作りのサイクルが上手く出来なくて悪循環に陥ることが多かったそう。
パンの仕込みには長い時間を要します。
体力の低下からパンを焼きたくても身体が追いつかない。
お店に泊まり込みで睡眠時間を2時間に減らしてまでパン作りに取り組まれました。
もう辞めたいと何度も思ったそうです。
 
そんな藤井さんは「運が良かった、人に恵まれている」と仰います。
菊陽店をたまたま訪れた女性がパン作りを見て、楽しそう、私も手伝いたいと申し出て、、、
りえさんというその女性は現在、ろじぱん小山本店の店長をされています。
初心者だったりえさんと藤井さんは、時にはケンカもしながら切磋琢磨して
お店を軌道に乗せていかれたそうです。
 
そんな「ろじぱん」に転機が訪れます。
新聞の表紙にお店が掲載されたんです。熊本の北と南のパン屋さんを紹介する企画でした。
それからお客さんが徐々に増え始めて、さらにラジオやテレビの取材でもお店が取り上げられました。
しかし、パン作りの要領も掴んでいくうちに売り上げもアップしていた時に藤井さんに「壁」がきました。
りえさんの結婚と子育ての育休です。
りえさんが居ない分、3人のスタッフを増やして何とかやれたというから、いかにりえさんの存在が大きいかが分かります。
一年後、りえさんは復帰!
そして車での移動販売もスタートされました。
今では40名弱のスタッフがいる「ろじぱん」ですが、どの店舗もスタッフが良い人揃いで、
業者さんからの評価も高いそうです。
「人のチカラでろじぱんは大きくなっていった」という藤井さんの言葉にも頷けますね。
お店には特にマニュアルを設けず、自分のカラーを出していくことを推奨しているそうです。
 
「今でも自信がないんです」という藤井さん。
その謙虚な姿勢だからこそ心のこもった美味しいパンが焼けるのだと思います。
グルメな小崎編集長がお勧めするハード系のパン(でも柔らかい!)も一度食べてみてください。
 
お客さんの1日の物語を少しでもワクワクさせたいという藤井さん。
「ろじぱん」を遊園地のような場所にしたいと願っていらっしゃいます。
パン屋の扉を開けると焼けたパンのいい香りがして、選ぶのをワクワク楽しんで欲しい、、、
幸せな仕事ですよね。
 
 
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そんな藤井さんが“ZERO”になれる瞬間はスタッフが退社してお店で一人になる時。
そして帰宅してお子さんの顔を見る時だそうです。
そこからまた明日も頑張ろうという活力が湧いてくるんですね。
 
 
美味しいパンでいい朝をスタートさせたい人は是非お近くの「ろじぱん」の扉を開けてみてください。
 
 
 
Sakiko Yoshimoto

Program info

熊本市中央区安政町にあるサテライトスタジオ「ZERO」。
金曜日の夜、第一線で活躍する様々な人たちが集まり、ゼロから広がる無限の可能性を求めて、クリエイティブな会話が行われます。
今回はどのようなケミストリーが生まれるのでしょうか・・・