3/26 熊本で「この街並みは変わらないでほしい」と思う場所、どこがありますか?
震災から1年近く経ち、あちこちで建物が消えて「あ、ここも更地になってる」と気づくことが多くなりました。新しいものをつくる時には、古いものを一度壊す必要があるのかもしれません。けれど、新しく生まれるものが、古いものの良いところを踏襲している方が嬉しい時もある。
先日、福岡から来た友人が、下通りや新市街を歩きながら「カラオケと携帯ショップ増えるっていうのは街としては危ないんだよね」って一言。かなり当たってる気がする指摘でした。以前は建物の一階でお店をしていたビルのオーナーさんが、ビジネスを引退し、そのスペースを貸し出す、という時、街中のビルは家賃が比較的高くて、借りることができるのは、携帯ショップみたいに全国規模でビジネスをやっているところじゃないと難しい、そんな話も聞きました。自分がビルのオーナーだったら、確かに高い家賃でも出してくれるところに借りて欲しいと思うかもしれない。でも、魅力的な街づくりに貢献できているのか?ということになると悩ましい。
京都は多くの観光客にとって魅力的なまちの一つですけれど、戦争中、京都は原爆投下の候補に挙がっていたのだそうです。けれど、そのリストから京都を外すように、と強く大統領に進言した一人は、当時アメリカのSecretary of War 戦争長官をしていた男性でした。彼は戦前、何度か京都を訪れていて、新婚旅行も京都。その思い出ゆえにトルーマン大統領に、京都には原爆を使わないよう求めたと言われています。京都がターゲットから外されたのには、もう一人文化人類学者の存在も背景にあったと言いますが、いずれにせよ、その街を訪れ「この魅力をなくしてはいけない」という個人の思いが、大きな違いを生むことにつながることがあるのだと、歴史が教えてくれているように思います。
熊本といえば、熊本城かもしれないけれど、お城だけでは宿泊する必要はない、ということになりかねない。お城の周り、町歩きをして、泊まって熊本の食材やお酒を楽しめたり、ここでしか手に入らないものを、素敵なお店で見つける、そんなスポットを増やすことが、街のアピールにつながるような気がしています。カラオケも携帯ショップも必要かもしれないけれど、やっぱり熊本ならでは、の街並みや風景が欲しい、そんなことを考える今日この頃です。
Kumamoto Curio 今日のBGMは “Scars on This Guitar” by Bon Jovi.でした。