5/12 届かないと思っていた声が届いていた、そんな経験ありませんか?
3年前の3月まで、FMKでカントリーミュージックの番組を担当していました。私自身、カントリーに出会ったのは、30代になってからだったのですけれど、today’s country と呼ばれるジャンルは、もともと Taylor Swift もその中に含まれるようなジャンル。Pops とクロスオーバーする曲は少なくありませんし、例えば Hotel California のようなサウンドは、現代なら country にカテゴライズされる音だと思います。
Today’s country を好きになったのは、その歌詞の内容のせいでした。好きな人への思いだけではなく、DVや、銃規制、アルコール依存など、社会問題を扱った歌が多く、予備校の講義でも時々かけて、ディクテーションとして利用するのですが、目的は、学生がカントリーを聞くことで、現代社会の抱える様々な問題を知ることにありましたし、番組でも、歌詞内容を訳してリスナーの皆さんにご紹介することで、このジャンルの魅力が伝わればいいけれど、と考えていたんです。
すると、先月、ある会合で、「カントリーの番組聴いてました!」という方から声をかけていただきました。気持ちをポジティブに保つのが、ちょっと大変だった時、ラジオから聞こえてくるカントリーミュージックが、とても心に優しく響くものだったと話していただき、それはまるで、20年の時間を超えて届いた、ご褒美のように感じられました!
カントリーって日本ではマイナーなジャンルですけれど、熊本では、チャーリー永谷さんというレジェンドのような存在がいらっしゃいます。実は、アメリカのCMA Country Music Associationが、これから日本でもっとカントリーを広めていきたい、とのことで、3月28日、駐日アメリカ大使館公邸で、Discover Country Music カントリーミュージックを発見しよう!というイベントを開きました。大使館、そして2日後、Blue Note Tokyoでパフォーマンスをしたのは、ナッシュビルで活躍する3人のシンガソングライター Devin Dawson, Lindsay Ell, そしてBrandy Clark. アクースティックのギターでの弾き語りは、本当に魅力的で、ちなみに今日BGMでかけているのも、その一人 Brandy Clarkのナンバー “Since You’ve Gone to Heaven” 。心を込めて、リスナーのKさんにお届けします。ラジオの持つ力を、もう一度信じさせてくださって本当に、本当に嬉しかったです。