NPO法人 CAPセンター・JAPAN
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企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ 特別編」。
「NPO法人 CAPセンター・JAPAN」に熊本地震支援特別電話相談
「女の子と女性のためのからだと性の110番」について伺いました。
●ご出演者のプロフィール
氏名; 長谷 有美子 (はせ ゆみこ)
社名 : 特定非営利活動法人 CAP センター・JAPAN
所属(役職) : 事務局長
Q 「NPO 法人 CAP センター・JAPAN」の基本情報を教えて下さい。
facebook
twitter
https://twitter.com/CAPCENTERJAPAN (@CAPCENTERJAPAN)
オフィシャル・サイト: http://cap-j.net/
Q まず、「NPO 法人 CAP センター・JAPAN」の通常の活動について教えてください。
1998 年に設立、2001 年に NPO 法人の認証をうけました。
子どもの人権が尊重され、子どもへの暴力のない安心・安全な社会を創ることをめざしています。
Child Assault Prevenrtion 子どもへの暴力防止 という意味の英語の頭文字をとって
「CAP」と書いてキャップと呼びます。
子どもへの暴力防止プログラムの普及を中心として、団体のミッションを実現すること、
また CAP プログラム使用に関する権限を持つ
ICAP(International Center for Assault Prevention/アメリカニュージャージ州)から
日本の CAP の窓口としてトレーニングセンターに認可された団体であることから
「CAP センター・JAPAN」という名称になっています。
主な活動としてはCAPプログラム実践者の養成・トレーニング、
子どもへの暴力防止に関する専門職のための研修の実施、社会啓発講座の開催、
出版事業、社会発信等を行っています。
Q 「NPO 法人 CAP センター・JAPAN」の活動について、
いくつか具体例をあげて説明をお願いします。
●CAP プログラム実践者の養成・トレーニング
「CAP スペシャリスト養成講座」 「資格更新研修」 などを行います。
CAP プログラム実践者の養成と資格取得後の更新のための研修など提供する
プログラムの質の維持・向上をめざすトレーニングを実施しています。
●社会的養護のもとに暮らす子どもへの理解を深めるセミナー
社会的養護とは、保護者と一緒に生活することのできない子どもを公的責任で
社会的に養育することで、多くの子どもたちは児童養護施設などで暮らしています。
2002 年から社会的養護の現場での CAP プログラム提供に取り組んでおり、
社会がより一層、社会的養護のもとに暮らす子どもたちへの理解を深め、
地域が子どもたちを支援できる体制を整備するためのセミナーなどを開催しています。
●子どもへの暴力防止に関する専門職のための研修
行政から委託され保育士研修などを行っています。
●社会啓発講座
・ 「子どもへの暴力防止のための基礎講座」は、熊本県でも 2010 年 10 月に実施しました。
子どものサポーターになる人を増やしたい!そんな思いからスタートした講座です。
学校から、家庭から、地域から、あらゆる職種・職域からの参加者が集うこの講座は、
いじめ・虐待・性暴力など、子どもへの様々な暴力に対する地域の予防・防止の力を高めます。
・ 「幼児期の子どもの生きる力を育む-子育ち支援講座」
過去の講座参加者の方から「幼児期の子どもに特化した講座は無いんですか?」という
たくさんの声をいただいていきました。
その声にお応えして 2014 年度から新規事業として取り組んでいます。
幼児期の子どもの発達の模擬体験や理論を学ぶことで、
幼児期の子どもの育ちを支える関わりについて学ぶ講座です。
●基礎講座 グループワーク
●基礎座座 テキスト
● 子どもへの暴力防止のための基礎講座
Q 「NPO 法人 CAP センター・JAPAN」では、「熊本地震支援特別電話相談
『女の子と女性のためのからだと性の 110 番』」を 9 月からスタートさせたそうですが、
その目的やきっかけなどをお願いします。
阪神淡路大震災を経験し、さらに東日本大震災の支援として姉妹団体 J-CAPTA
(ジェイキャプタ/北海道札幌市)がユニセフとの協働で CAP プログラムの提供を行うなど
災害時の対応を積み上げてきたことから、熊本地震の直後から「何ができるだろうか」と
考え始め、『災害時の子どもに安心・自信・自由を広げるプロジェクト』を立ち上げました。
「子どもの心の応急手当のためのミニ講座」の無料提供を軸に広報をはじめたところ、
行政やキーステーションとなるところにはたくさんのワークショップの提供や
「こんなことできます!」といった支援の名乗りが多数あげられており、
窓口となる方々はその対応に疲弊しているという声を多く耳にしました。
バーンアウトの可能性を感じ、被災地のお邪魔にならない形でできることを模索し、
連携団体である大阪の NGO に相談したところ、この団体はこれまでの災害時にも
電話相談をおこなっており、乳幼児を抱えていたり介護等で出かけてくることが
難しい人たちがいること、仕事等に追われ自分のことは後回しになりがちな女性たちが
多いこと、中高生は頑張りゆえにしんどさに周りから目が向けられにくいこと、
またどの年代の女性にとってもなかなか面と向かって相談することができない内容である
心とからだと性の健康支援は災害時にこそ重要であるという話を伺い、
まずは電話相談で当事者の抱える問題解決を手伝い、さらにそこからニーズを探り、
周災害期を終えた後に必要な支援(ミニ講座や研修など)につなぐことを考えました。
電話相談なら、それぞれの人のタイミングで自分で選んで、なかなか面と向かっては聞けない
『心とからだと性の健康』を話すことができることから、東日本大震災の支援でも行われ、
多くの声が寄せられました。電話相談で当事者をエンパワーしながら、当事者の問題解決を
手伝い、さらに声を集め、当事者にとって必要な支援を検証し、周災害期を終えたところから、
必要な支援を研修やワークショップ、CAP プログラムという形で提供していくというのが
今回のプロジェクトの概要です。
Q 『女の子と女性のためのからだと性の110 番』には、
具体的に、どんな相談案件があるのでしょうか?
夫から暴力(身体的暴力・暴言)を振るわれる
パートナー(夫・恋人)から SEX を強要されるといった DV
地震後、月経が来ない
月経前のイライラがひどくなったような気がする
おりものの色が変な気がするが誰にも相談できないといったからだの心配
子どもが自分(母親)から離れようとしない
子どもの泣き声にイライラするようになったといった子育てに関すること
自分のところは大した被害ではなかった。
大変な人たちを前にして「しんどい」ということが言いにくい周りの人が頑張っているので
自分も頑張らなくてはいけないと思うが、愚痴を言える場所がない。
更年期でからだがだるいのか、疲れているのかわからない。
みんな頑張っているので休みたいとは言えない
不安で眠れないが、弱音を吐くようで言えない
頑張らなくてはと思うが、将来が不安で集中できない
みんな頑張っているので、自分だけ辛いとかしんどいとか言いにくい などなど。
↑ 画像クリックで拡大します。
Q 相談に対応するためにどんな体制でのぞんでいますか?
毎週月曜日と水曜日の週 2 回、女性相談員 2 人体制で 14 時~20 時までの
6 時間対応できるよう体制を整えています。
熊本地震という災害に被災された方対象ということで、研修を積み、経験を重ねた相談員に
改めて災害時の心とからだと性について研修を行い、相談体制を整えました。
Q 『女の子と女性のためのからだと性の 110 番』の受付について詳細を教えてください。
<期間> 2016 年 9 月 5 日(月)~2017 年 6 月 28 日(水)まで
<実施日・受付時間>毎週月曜日と水曜日の 14 時~20 時
<電話番号> 06-6632-7012
相談は無料(通話料は必要)
電話を受けるのは、当法人が連携しているウィメンズセンター大阪の女性相談員
Q 「NPO 法人 CAP センター・JAPAN」の今後の活動予定などありましたら、
ご紹介ください。
熊本地震支援として「子どもの心の応急手当のためのミニ講座」を無料でお届けしています。
保育園・幼稚園・児童養護施設・母子生活支援施設・里親会などで、
災害時・災害後の子どもの身体症状や言動の意味を知ろう、災害時・災害後に
身近なおとなができる子どものケアを知ろう、災害時・災害後におとな同士でできる
心のケアを知ろう、災害時・災害後におとなが自分にできるセルフ・ケアを知ろうといった
内容のミニ講座を無料で提供していきます。
地震はおとなだって怖かった。びっくりした。ドキドキした。
おとなが非常事態のとき、子どもはとりあえず我慢したり、いい子になったり・・・。
押し込んだ怖かった体験や不安を表現する場や機会があること、それが子どもたちには
必要です。身近なおとながちょっとケアすることで、様々な後遺症は防げます。予防できます。
トラウマの影響を最小限にするための日常生活で使える「こころの救急箱」を
ミニ講座で備えませんか。
Q 「NPO 法人 CAP センター・JAPAN」のこれまでの活動で印象的だった
エピソードなどあれば、ご紹介ください。
私たちの活動は主に保育所・幼稚園・小学校・中学校等での予防教育プログラムの提供です。
その中で、CAP の子どもワークショップに参加した後、クラスの友達のことで困っていることを
話しに来てくれた小学4年の女の子がいます。
頑なに「担任の先生には話したくない」と言っていました。
「どうして先生には話したくないの?」と聞くと
「あのね、先生、来週研究事業があって今たいへんなんよ。
今、先生に話したら先生心配して、研究事業で失敗するかもしれん。」と、
話したくない理由を教えてくれました。
私たち CAP は、先生は子どもたちが CAP に参加する前に CAP のことを勉強してくれて
いて、皆の力になりたいと思ってくれているよ、と伝えたところ、
その子は先生に話に行きました。
子どもたちはおとなが思っている以上に本当によくおとなの様子を見ています。
頑張っている様子、元気のない様子・・・。
そして 「心配をかけたくない」という思いを持っています。
それは先生だけでなく、親に対しても同じです。
子どもの力になりたいというおとなの願いと子どもたちの想いがすれ違わないために、
ちょっとしたお手伝い、「架け橋」やつなぎ目になるものが必要なんだと感じたエピソードです。
今回の電話相談やミニ講座を提供する
『災害時の子どもに安心・自信・自由を広げるプロジェクト』もそういう架け橋や
つなぎ目になればいいなあと思っています。
Q 今後の「NPO 法人 CAP センター・JAPAN」の目標などあればご紹介ください。
災害はどこでいつ起きるか分かりません。どんな時にもどんな場所でも、
子どもたちが安心して、自信を持って、自由な気持ちで暮らせるように、
CAP プログラムだけでなく様々な形で予防の観点からおとなと子どもにアプローチして
いきたいと思っています。
社会全体で日常生活で子どもの心の権利である「安心・自信・自由」を意識できる
体制をつくっていくことが当面の大きな目標です。
Q 「NPO 法人 CAP センター・JAPAN」から
熊本県民にPRしたい案件があればお願いします。
当法人のツイッターでは、随時電話相談の日程や時間をお知らせしています。
ぜひ多くの方に情報を持っていただきたいと思います。
また、 熊本地震支援として「子どもの心の応急手当のためのミニ講座」 の無料提供も
行っています。ぜひご活用ください。
オフィシャル・サイト: http://cap-j.net/