「第1回地域伝統芸能祭」 「宇土太鼓祭~つながり~」

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ヒューマン・ラボ
あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
宇土市民会館の高田大介さんと、
宇土市教育委員会文化課の藤本貴人さんがゲストです。
2月11日、12日に宇土市民会館で開催される
「第1回地域伝統芸能祭」 「宇土太鼓祭~つながり~」について伺いました。

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● ご出演者のプロフィール
 
名前:高田大介
所属:宇土市民会館 (太鼓芸能集団「紬衣」主宰・宇土太鼓祭実行委員長)
プロフィール
熊本県下益城郡美里町出身。
1987年12月8日生まれ。
中学時代和太鼓に出会い、太鼓も持つエネルギーに魅了される。
宇土高校在学中、和太鼓部「鼓」を創立。
卒業後佐渡に拠点をおく太鼓芸能集団「鼓童」の研修生として、2年間太鼓のみならず篠笛、能、茶道、農作業など、佐渡の大自然のなかで修行を積む。

帰熊後、2008年5月より宇土市民会館ホールマネージャーとなる。
2012年10月には熊本城お城祭り大太鼓打ちコンテストにて最優秀賞を受賞した。
現在は、各種太鼓教室講師、学校公演をおこないながら2014年からは、熊本県内の若手太鼓奏者有志による太鼓芸能集団「紬衣」を発足し、主宰を務めている。
紬衣は2016年8月エディンバラフェスティバルフリンジにおいて、最高評価となる5つ星を獲得。
また今年3月には日本を代表するアーティスト「ゆず」のライブへの出演が決定している。
 
ホームページ : https://www.utotaiko.net
 
名前:藤本貴人
所属:宇土市教育委員会文化課 係長
 
Q まず「宇土市民会館」について基本情報をお願います。
 
正式名称:宇土市民会館
所在地:〒869-0433宇土市新小路町123
問い合わせ:0964-22-0188
 
オフィシャルサイト:http://www.utobunka.jp/
 
Q 宇土市民会館では、2月11日、12イベントを開催されるそうですが、
まず、2月11日の「第1回地域伝統芸能祭」について詳細を教えて下さい。
 
第1回地域伝統芸能祭は宇土市民会館初めての試みとなる、熊本県内の伝統芸能・伝承芸能を一堂に会しての芸能祭です。
出演は人吉から球磨神楽保存会・八代から久連子古代踊り保存会・宇土から宇土御獅子舞保存会・城塚地区雨乞い大太鼓保存会で、オープニングとして宇土太鼓教室受講生が演奏します。
本事業で目指すことは、「熊本の誇り」「地域のつながり」の再認識です。
今年は地震・大雨さまざまな災害に襲われ、普段通りの生活を送るのが必死で、はっと我に返ると波のように襲ってくる無力感にさいなまれる。そんな1年でありました。
きっと熊本にはこのような方が多くいらっしゃると感じております。
地域に伝わる芸能には、受け継がれてきたその時代ごとに、先人たちの苦しみを昇華させる役割があったのだと思うのです。
復興のまっただ中のいまだからこそ、Madein熊本の芸能祭を成功させ、生きるエネルギーを多くの方に届けたいのです。
かつて宇土市には伝統芸能が数多く継承されていましたが,そのいくつかは受け継がれることなく,消滅してしまいました。
それらは戦中・戦後の混乱や,社会変化の中で次第に失われていった訳ですが,少なくとも今大事なことは現在残っているものをいかに継承するかということと,まだまだ埋もれた伝統芸能があるかもしれないという視点での掘り起しが大事ではないでしょうか。
消滅のおそれがあり,まさに失いかけられていた「宇土雨乞い大太鼓」は見事に復活し,「宇土の御獅子舞」も県指定無形民俗文化財として地域の皆さんの努力で受け継がれています。
その他にも多くの伝統行事・伝統芸能が継承されています。
第1回地域伝統芸能祭をきっかけとして,宇土市の伝統芸能の継承・復活にはずみがつき,熊本県内だけではなくわが国の伝統芸能の保存・伝承,さらには地域の活性化につながることになればと思っています。
 
Q 「第1回地域伝統芸能祭」見所を教えて下さい。詳細の説明お願いします。
 
芸能祭の開幕はお祓いからスタートします。
エンターテイメントのステージではなく、神社に奉納される芸能として鑑賞頂ければと思います。
・球磨神楽と久連子古代踊りは平成28年度文部科学省地域文化功労賞を受賞されました。
・宇土の雨乞い大太鼓が和太鼓として日本初の国指定重要有形民俗文化財に指定されます。地域伝統芸能祭・宇土太鼓祭の両イベントが指定後初のお披露目の場となります。
 
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Q 翌日2月12日(土)は、「宇土太鼓祭つながり」が開催されますね。
どんなイベントなのか教えてください。
 
宇土太鼓祭は、宇土が全国に誇る大太鼓文化の継承・再創造を目指し、宇土を中心に活動する太鼓団体による冬の一大イベントとして平成25年からスタートし今年5回目を迎えます。
これまで太鼓祭の企画として、日本を代表する演奏者・作曲家が宇土大太鼓をモチーフとした「永遠なるものへ」「黎明」「UTO」といった新たな楽曲を生み出しました。
その成果として平成28年8月には太鼓芸能集団「紬衣」が英国エディンバラフェスティバルにおいて「UTO」を上演し、最高評価の5つ星ならびにOUTSTANDINGSHOWの称号を獲得するなど宇土の新たな太鼓文化を国内外へ発信することができました。
また、運営は宇土天響太鼓、宇土高校和太鼓部「鼓」、太鼓芸能集団「紬衣」を中心とした若手による実行委員会で組織し、宇土大太鼓の幅広い世代への周知・アピールをおこなっています。
太鼓祭を通じてめざすことは、宇土の太鼓文化の未来を育てるためのつながりを作ることです。
太鼓祭への参加をきっかけに宇土大太鼓の歴史や文化についての理解を深める機会を作ると共に、稽古から本番にかけた出会い・交流の機会を通じて意識の高まり・盛り上がりを図り、太鼓祭以降も世代・団体間を超えた繋がりが継続していくような姿を目指します。
テーマは「つながり」です。今年はあまりにも変化の大きな1年となりました。
宇土大太鼓の源流は雨乞いであり、人助けであり、地域のつながりです。
この変わってしまった宇土から、いま一度太鼓の力を信じようと思うのです。
「未来を信じ目の前のことを精一杯やる」ことが未来へとつながっていく力となります。
これからの100年のために、宇土だからこそ出来る祭を作りたいと考えています。
今年は出演3団体による演奏の他、3団体から選抜した特別編成を組織し、新しい楽曲を作曲しました。
 
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Q 1月27日に発表されましたが、宇土の太鼓が、重要有形民俗文化財に指定されるそうですね。
詳細を教えて下さい。
 
平成29年1月27日(金曜)に開催された国の文化審議会において「宇土の雨乞い大太鼓附(つけたり)関連資料」を重要有形民俗文化財に指定するよう文部科学大臣に答申が出されました。
雨乞い大太鼓の国指定は日本初,また,熊本県においても国の重要有形民俗文化財が指定されるのは初めてのことです。
 
Q 活動通じての印象的なエピソード、苦労話などあれば、お願いします?
 
・太鼓祭実行委員会を組織する3団体で4月29日に宇土市・富合町の避難所へ演奏をしにいきました。
メンバーの中には避難所で生活する子もいて、自分たちも被災者という状況の中でしたが、自分たちに出来るのは太鼓を叩くことだと、演奏をさせて頂きました。
避難所にいらっしゃる方々は涙を流して「ありがとう」と抱きついてくださる人もいて、1団体だけではなく、太鼓祭を通して、3団体が「宇土大太鼓でつながった仲間」として活動できることがとても心強く、やって良かったと思いました。
苦労は出演者が多いと言うことです。
出演者総計60名で創り上げる舞台なので、各出演者の動きや構成・演出がとにかく複雑です。
また、今回の新しい企画として3団体から各5名を選抜した特別編成の「UTO15」を組織しました。UTO15では今回の太鼓祭のために新曲を3曲制作中で、現在産みの苦しみを味わっています。
1月中旬〜2月本番まで毎日稽古をしており、休みはありませんが、太鼓漬けの毎日です。
 
Q 今後の夢は何ですか?
 
今回出演する宇土の3つの太鼓団体は、それぞれが個性を持っています。
宇土天響太鼓は雨乞い大太鼓の保存継承を目的とした保存会青年部として設立されています。
宇土高校和太鼓部は地域に根付いた活動と交流の中で、卒業後は天響や紬衣のメンバーとして活動するなど、裾野の拡大に繋がっています。
太鼓芸能集団「紬衣」は宇土の太鼓文化をベースとして、太鼓の魅力を世界に発信する活動を行っています。
それぞれの団体の持つ役割を果たしつつ、三つ巴となって「宇土の太鼓文化は世界一」といわれるような「つながり」を作っていきたいです。
 
Q 熊本県民にPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください?
 
太鼓祭出演団体の太鼓芸能集団「紬衣」は3月に横浜みなとみらいホールでおこなわれる「ゆず」コンサートへの出演が決定しました。
コンサートの模様は3月20日BS5局で放送されます。
ありがとうございました。
 
宇土市民会館 オフィシャルサイト:http://www.utobunka.jp/
 
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