第59次南極地域観測隊 通信担当 三浦澄雄さん

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
第59次南極地域観測隊に熊本から参加する通信担当の三浦澄雄さんに電話をつなぎます。
 
●ご出演者のプロフィール
 
名前:三浦澄雄 (ふりがな)みうらすみお
所属:総務省関東総合通信局
(今年6月までは総務省九州総合通信局でした。)
 
プロフィール: 
平成29年6月まで総務省九州総合通信局で情報通信行政に携わる。
7月から、総務省関東総合通信局に在籍しつつ、国立極地研究所南極観測センターに勤務。
熊本市に妻と子を残し、単身赴任中。
 
Q 三浦さんの普段のお仕事について教えて下さい。
 
6月まで勤務していた総務省九州総合通信局では、免許を受けずに開設している無線局、いわゆる不法無線局の撲滅のため、九州各地を飛び回っていました。
警察などと共同で不法無線局の取締りもしていました。
7月から勤務している国立極地研究所南極観測センターでは、南極に持って行く通信設備などの調達作業やこれら通信設備を「しらせ」に積むための梱包作業などを行う予定です。
 
Q 第59次南極観測隊の概要を教えて下さい。
 
第59次南極地域観測隊は総勢73名(夏隊41名,越冬隊32名)で編成されます。
以前は、観測隊も含めて日本から乗船して南極に向かっていましたが、現在、観測隊はオーストラリアまで飛行機で行って、砕氷艦「しらせ」に乗船しています。
例年11月末に日本を発ち、南極に着くまでにはしらせに乗船してから3週間から1ヶ月程度かかります。観測隊は夏隊と越冬隊に分かれています。
両隊とも日本を出発して南極に到着するまでは同じ行動ですが、南極滞在期間の長さが違います。
夏隊は、南極の夏といわれている12月から2月中旬にかけて、この時期にしか行えない観測や建築・土木などの設営作業を行います。
越冬隊は、通年観測を行う隊員を中心に編成されています。
昭和基地に到着した後に越冬準備をして、例年2月1日に前の越冬隊から観測や基地運営を引き継ぎます。
第59次南極地域観測隊の夏隊は2018年3月に、越冬隊は2019年3月に帰国する予定となっています。
私は越冬隊ですので2019年3月にオーストラリアでしらせから下船した後、飛行機で日本に帰国することになります。
 
Q 南極の最高気温、最低気温はどれぐらいですか?
 
2016年の例ですと、1年を通して最高気温は5℃程度の時期がありました。
最低気温は9月に-36.2℃を観測しています。
 
Q 日本と南極の時差は何時間ですか?
 
昭和基地との時差は6時間です。
 
Q 三浦さんが南極で担当される「通信」とはどんなお仕事ですか?
 
通信担当の主な仕事は南極における無線通信回線の運用です。
例えば、昭和基地と野外観測を行う隊員と定時交信を行い、隊員の行動や装備などの状況を確認するとともに気象の情報などを伝えたりします。
観測船や航空機とも交信します。昭和基地では多くの無線機が使用されており、これら無線機の保守も行います。
通信担当は観測隊の中で設営系に属しています。
設営系の隊員は観測隊の活動生活基盤を維持する役割を担っています。
 
Q 三浦さんは「設営系」ということですが、他にはどんな方が参加されていますか?
 
設営系の隊員は、昭和基地を中心とした観測隊の活動生活基盤を維持する要員です。
建物を建設する隊員、医療や調理、電気をつくる発電機の担当の方などが参加されます。
観測系隊員は、名前のとおり観測をする隊員です。
南極の気象や生物、測地などの観測をします。
 
Q 南極観測隊に参加したいと思われたのはいつ頃、どんなきっかけでしたか?
 
南極という場所には、学生のころからなんとなく興味がありました。
6月まで在籍していた総務省九州総合通信局には観測隊に参加したことのある職員が数名いまして、その方たちから話を聞いているうちに、自分も南極に行ってみたいと思うようになりました。
オーロラなどの南極ならではの自然現象を自分の目で見てみたいという思いがあります。
家族に相談したところ、反対もせず背中を押してくれたことが観測隊となる試験を受けるきっかけになったと思います。
 
Q 日本のご家族との連絡はどれぐらいの割合でどんな手段で取ることができますか?
 
昭和基地と日本は衛星通信でつながっています。
電話やメールなどで家族と連絡をとりたいと思います。
 
Q 観測隊への参加が決定するまでの流れを教えて下さい。
 
私の例で申し上げますと、職場から観測隊候補者試験を受けるための推薦を受けて、総務省での選考試験がありました。
総務省内で選考された後は、国立極地研究所により、脳波も含めて多くの項目にわたり身体検査を受けました。
長野県の乗鞍高原での冬期総合訓練、群馬県草津町での夏期総合訓練を経て、6月23日に開催された第150回南極地域観測統合推進本部総会で正式に隊員となる決定を受け、観測隊への参加が認められました。
 
Q 現在は東京にいらっしゃるということですが、東京ではどんなことをされているのでしょうか
?出発までどんな準備や訓練が行われるのでしょうか?
 
無線機をはじめとした通信設備の老朽化が進んでおり、代わりとなる新しい通信設備を持って行かないといけません。
無線機メーカーなどと調整して、通信設備の調達作業を進めているところです。
また、南極に出発する前には、安全行動のための講義や消火器の取り扱いなど、多くの訓練を受けるようになっています。
 
Q 三浦さんが南極で楽しみにしていること、不安なことなどありますか?
 
南極での自然現象をしっかり目に焼き付けてきたいと思います。
通信設備に常に触れる仕事も楽しみです。
他方、南極の自然環境は危険に満ちており、現地で起こる不測の事態には隊員自らで対処しなければならないところもあります。
訓練を重ねて少しでも不安を解消できればと思います。
 
Q 南極観測隊について知ることができるホームページなど教えて下さい。

国立極地研究所南極観測のホームページ
http://www.nipr.ac.jp/jare/

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