「シンクロナイズドモンスター」

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キネマのススメ

 
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、今週土曜日・11月4日からDenkikanで公開される「シンクロナイズドモンスター」です。
 
「シンクロナイズドモンスター」というタイトルを聞いて、どういう映画なのかイマイチ、ピンとこないという方も多いですよね。
「怪獣がプールでダンスする映画?」、なんて思う人もいるかもしれません。
 
「シンクロ」とは、日本語で「同調する」という意味。
「シンクロナイズド・スイミング」は、音楽と「同調した水泳」ということ。
では、この映画のモンスターは、何と同調するのか、というと、
映画の主人公と同調するんです。
でも、「エヴァンゲリオン」とか「パシフィック・リム」みたいな、
世界を救う真面目なヒーローものではありません。
どっちかというと、街に出没してお騒がせするモンスターのほう・・・。
しかも、その主人公も、失業中でアルコール依存から彼氏に振られ、
都会から田舎に帰ってきた「ダメウーマン」というんですから、
かなりユニークな設定です。
 
そんなダメな主人公、グロリアを演じるのは、「プラダを着た悪魔」や
「マイ・インターン」などのヒットで知られる、売れっ子女優のアン・ハサウェイ。
今までの出演作からして、こういうB級テイストあふれる作品に出るとは
かなり意外ですが、脚本に興味を持った彼女が、資金調達のめどが立たないうちから
プロデューサーとして参加した意欲作というから驚きです。
 
実は、この企画にアン・ハサウェイが入れ込んだというのには理由があります。
デビュー以来、ずっとヒット作にも恵まれ、2012年の「レ・ミゼラブル」では、
ついにアカデミー賞も受賞した彼女ですが、実は、この映画に出会う前、スランプ状態に陥っていたそうです。
順風満帆に見えるキャリアですが、もっと新しい役と出会いたいと思うがゆえのスランプだったのかもしれません。
なにか新しい企画に取り組んで、自分を変えたいと思っていた時に出会った脚本が
この「シンクロナイズドモンスター」だったんです。
確かに、この作品は、これまでの映画界にはなかった不思議な世界観の映画です。
 
ストーリーをざっと紹介しますと、職なし、家なし、彼氏なしの状態で
生まれ故郷に帰ってきた、主人公のグロリア。
幼馴染のバーで働くことになりますが、生活は荒れ放題です。
ちょうどそのころ、遠く離れた韓国のソウルで謎の巨大怪獣が出現。
何気なくニュース映像を見ていた彼女は、奇妙なことに気づきます。
それは、自分の仕草と怪獣の仕草がシンクロしているということ!
舞い上がったグロリアは怪獣を操り、世界を混乱に陥れますが、
さらにそこに新たな存在が現れます!
 
その新たな存在との間に、驚きの展開が待っているわけですが・・・、
それは実際に映画を見てのお楽しみ♪
ちなみに、この怪獣が現れる場所、企画段階では日本だったそうです。
資金集めの時の企画書では、モンスターが現れるのは、ソウルではなく、東京。
モンスターのデザインも、かなり「ゴジラ」を思わせるものだったそうです。
様々な大人の事情で、この「ゴジラ」風のモンスターの企画は、舞台を韓国に変更し、モンスターのデザインも現在のものに変更となりました。
もし、最初の企画通りだったらどういう映画になっていたのか・・・、なんてことも想像してしまいますね。
 
予定調和でないちょっとひねった面白い映画が好きな方、映画を見てスカッとしたい方には特にオススメしたい1本です。
 
 
今日ご紹介した映画「シンクロナイズドモンスター」は、
■Denkikan
で、今週土曜日・11月4日から公開されます。
 
「シンクロナイズドモンスター」オフィシャルサイト
 
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