「青ガエルをみんなで守ろう!熊本電鉄5000形メンテナンスプロジェクト」

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
「青ガエルをみんなで守ろう!熊本電鉄5000形メンテナンスプロジェクト」を主催する
「鐡道創研」事務局 斉場俊之さんがゲストでした。

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●ご出演者のプロフィール
名前:斉場俊之  (ふりがな)さいばとしゆき
所属:鐡道創研事務局
ホームページ、ブログなど:
 
Q 「鐡道創研」の基本情報をお願いします。
 
設立2015年4月
代表かめきち(タレント)
事務局斉場俊之
メンバー9名
活動目的熊本電鉄「青ガエル」の保存を目的に設立。現在は、熊本県内の公共交通の活性化を目的としている。
事務局所在地860-0863熊本市中央区坪井1-1-15−902
さいばーとれいん気付鐡道創研事務局斉場俊之
事務局連絡先090-3190-3180
 
Q 「鐡道創研」を設立するまでのいきさつをお願いします。
 
2015年3月に「青ガエル」5101A号車の僚車、5102A号車が廃車となり、解体されたのを見た鉄道ファン有志が、インターネット上で集まり、5101Aを解体から守ろうと集まったのが始まりです。
 
Q 「鐡道創研」では、現在、熊本電鉄の5000形車両(通称青ガエル)の保存活動を行っているそうですが、まず、何故その活動をすることになったのかお聞かせください。
 
5101A号車も制度上廃車・解体の方向から免れないということを熊本電鉄の方から伺い、どうにかして回避できないかということで活動をはじめました。
まずは熊本電鉄から廃車後の車両を引取り、静態で展示することを考え、熊本電鉄と土地提供先として合志市と交渉を行いました。
車両の引き取り・展示場所のめどが付いた後は、移動のための資金(1,000万円)を集めるためにクラウドファンディングを企画しました。
クラウドファンディングの実施直前となった2015年12月に、熊本電鉄が制度上の問題点をクリアし、現役は引退することとなったものの動態での保存が可能となったため、活動を保存から熊本電鉄と協働での保存・維持・広報活動にシフトし、現在に至ります。
 
Q 5000形車両(通称青ガエル)の魅力とはどんなところですか?
 
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・当時の最新鋭の技術が注がれた「日本のものづくり」を知ることが出来る軽量モノコック構造、直角カルダン駆動など、戦後高度成長の萌芽期(昭和30年代)における最新鋭の技術が取り入れられており、当時の日本の著しい技術向上、また挑戦的な姿勢を知ることが出来る車両です。
 
・日本の高度成長を支えた「日本の戦後史・鉄道史」を語る車両「青ガエル」は東急東横線など日本の高度成長期の再混雑路線の一つを担い、首都圏の通勤輸送を支えました。
首都圏での役目を終えた跡は、その軽量を活かし、設備が十分でない地方鉄道に譲渡され、その近代化に貢献しました。
 
・東京と熊本をつなぎ、多くの人に愛される車両その特徴ある表情は多くの人の記憶に残り、現在でも渋谷駅前に車両が展示されるなど、鉄道ファンのみならず人気のある車両です。
熊本へも、東京からこの車両に会いに多くの方が訪れています。
 
Q 「クラウドファンディング」で資金を募っているそうですが、詳細を教えて下さい。
 
10月13日から「Makuake」にてクラウドファンディングを実施しています。
青ガエルは製造から60年が経過しており、車体の劣化が進行しています。
特に車体の腐食は美観を損なうだけでなく、車体強度の低下、水の浸入による電気機器の故障など、これから永続的に車両を保存することが困難となる可能性を高めてしまいます。
そこで、今回私たちは塗装費を賄うクラウドファンディングを実施することで、熊本電鉄の動態での車両保存を、市民が支えるというスタイルで実現したいと考えています。
 
Q 「クラウドファンディング」への参加者にはどんなメリットがありますか?
 
多様な返礼品を用意しています。
・1000円から参加可能(お礼のハガキ)
・3000円実際の車輌の塗装片(しおり)
・5101円車輌の図面
・10000円〜スノードーム(人気で即売・追加)
・15000円現役運転士同行のツアー
・100000円本物の座面
・510100円熊本の家具職人による一点ものソファ(本物の座面使用)
 
Q 活動を通じての苦労、やりがいとは何ですか?
 
みなさんにどう知ってもらうかに心を砕いています。
SNSでの周知、チラシの設置・配布、新聞・ラジオ取材対応など、さまざまな方法で情報発信を行いました。北九州や鹿児島にもおもむきました。
お金を集めるということはもちろんですが、このプロジェクトを通じて「青ガエル」という貴重な電車が熊本にいることを知ってもらいたいと考えています。
 
Q 活動を通じてのもっとも印象的なエピソードは何ですか?
 
・「パソコン・スマートフォンを持っていないのですが応援したい」という電話があった
・追加の物品にスノードームを追加したら告知前に完売してしまった
 
Q 最後に、熊本県民にPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどありましたら教えて下さい。
 
熊本電鉄は、街の小さな鉄道会社ですが、地域のために一生懸命運行され、古い車両を大切に使い、私たちの生活の足を守っています。
その中で活躍した「青ガエル」は、東京・熊本の多くの皆さんの思い出が詰まっているだけでなく、数十年後には産業遺産としての価値も生まれるような技術的価値の高い車両です。
多くの皆さんの応援をよろしくお願いいたします。
 
「鐡道創研」
 
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