「銅銭糖ミニミュージアム&カフェ」(熊本県立大学 丸山研究室)

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
熊本県立大学 丸山研究室の生田健誠さん、古庄日菜子さん、井上稔梨さんがゲストでした。
2月20日から2月25日まで熊本県伝統工芸館で開催される「銅銭糖ミニミュージアム&カフェ」について伺いました。

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●ご出演者のプロフィール
 
名前:生田健誠(ふりがな)いくたけんせい
所属:熊本県立大学丸山研究室
プロフィール:1996年11月8日生まれ。熊本県天草市出身。
現在は、プロジェクトリーダーとしてパンフレット、パネル作成を担当。
人と関わりながら一つのものを取り組むことが好きで今回のプロジェクトも大津町の方の想いに大事にしながら精一杯取り組みたいと考えている。
 
名前:古庄日菜子(ふりがな)ふるしょうひなこ
所属:熊本県立大学丸山研究室
プロフィール:1997年2月10日生まれ。熊本県出身。
今回のプロジェクトの中心である銅銭糖を製造する3店舗のうち、「浪花屋本店」を実母が経営している。
らくがん文化が低下している現代で、学生目線から銅銭糖の新しい食べ方を若い人たち中心に提案していきたいと考えている。
 
名前:井上稔梨(ふりがな)いのうえみのり
所属:熊本県立大学丸山研究室
プロフィール:1996年9月20日生まれ。熊本県出身。
今回のプロジェクトでは主にカフェ運営全般に関わっている。
スタッフ管理や備品・資料管理など細かな部分に気を回し万全の状態でカフェを行えるように責任感を持って取り組みたいと考えている。
 
Q今回の活動の主体となる「丸山研究室」の基本情報を教えて下さい。
 
正式名称:熊本県立大学丸山研究室
所在地:〒862-8502熊本県熊本市東区月出3丁目1番100号
問い合わせ先:(電話番号)096-321-6687(メールアドレス)dousento.project@gmail.com
研究テーマ:マーケティング・マーケティングリサーチ・ブランドマーケティングなど
ホームページ:(熊本県立大学研究者情報データベースより)
 
Qまず、「丸山研究室」の研究内容について教えて下さい。
学んでいる学問はどんな分野ですか?具体的に説明お願いします。
また、丸山先生はどんな方ですか?
 
丸山研究室は、マーケティングを研究・実践するゼミです。
座学を通した学びだけでなく、実際に地元企業や地域と協働で課題解決に取り組む“実践マーケティング”が丸山研究室の特徴です。
学生はグループに分かれ、それぞれテーマを持ってプロジェクト活動を行っています。
丸山先生は、大手企業で商品開発やマーケティングの担当をされていたご経験から、”人を気持ちよく動かす、仕掛け・仕組み・考え方”を教えて下さいます。
厳しくも優しくご指導して下さり、ゼミ生たちにとって第2のお父さんのように頼もしい存在です。
 
Q「丸山研究室」のこれまでの研究成果について解説をお願いします。
 
先輩方のプロジェクトでは、JA阿蘇と一緒に“阿蘇大麦”を活用したカレーの商品開発に取り組んだり、震災復興として南阿蘇村の観光パンフレットの制作・発行などがあります。
また、私たちも2年次に地元企業の“新卒採用パンフレット作成”プロジェクトに参加し、実際に地元企業を何回も訪問し、企業の強みや面白さを学生目線で引き出しパンフレットを提案しました。
同期の有志が挑戦した県主催「くまもと課題解決プロジェクト」では、「木村のあられ」様と取り組み、若者向けのあられ・おかき商品を提案し、実際に商品化され、期間限定で販売実績を残すことができました。
さらに、3年前にも私たちの先輩方が熊本県伝統工芸館にて伝統工芸の普及を目的としたカフェイベントを開催し、多くの方に楽しんでいただけたようです。
その時のご縁もあって、今回のイベントも熊本県伝統工芸館で開催させていただけることとなりました。
 
Q今回、「銅銭糖ミニミュージアム&カフェ」というイベントを行うとのことですが、このイベントを開催するきっかけや目的を教えて下さい。
 
銅銭糖とは大津町で160年以上前から受け継がれている郷土菓子です。
旅人たちが持ち歩く銅銭から着想を得て、落雁と餡子で作り上げられました。
今回のプロジェクトメンバーの一人古庄の実家が銅銭糖の老舗:浪花屋本店様であったこともあり銅銭糖の存在を知って、県立大丸山ゼミの活動としてプロジェクトをスタートさせました。
今回のプロジェクトを進めていく中、落雁を食べる習慣が減り、若年層を中心に銅銭糖離れが加速、かつては20店以上あった銅銭糖の店舗が、現在では大津町の3店舗になっていることを知りました。
そして160年以上の歴史を持つ大津町の郷土菓子、銅銭糖がこのままでは無くなってしまうかもしれない状況に危機感を覚え、この状況をなんとかしたいと銅銭糖の認知向上・活性化を目指して学生目線で何ができるか、1年間検討してきました。
その中で、銅銭糖の歴史や価値を若い人たちにも知ってもらい、そして今の時代にマッチした銅銭糖の新しい食べ方も提案したいという想いに繋がり、多くの方々のご支援とご協力をいただき、“銅銭糖ミニミュージアム&カフェ”を開催することになりました。
 
Q今回のイベントでは、具体的にどんなことをするのでしょうか?
日程、開催場所、内容、問い合わせ先など詳細をお願いします。
 
今回は、銅銭糖の新しい食べ方をご提案するカフェと銅銭糖の歴史をさかのぼることができるミニミュージアムが一体となったイベントを用意しています。
気になるスイーツメニューは現在営業中の3店舗それぞれの味を活かし大胆にアレンジした新スイーツと、なんと欲張りな3店食べ比べセットもご用意しております!
またコーヒーは今回特別に大津町のカフェ“TG珈琲“様開発の「銅銭糖ブレンド」を、お茶は"お茶の福本園"様から「深蒸し茶・誉」、「国産紅茶・べにふうき」をご提供させて頂く予定です。
さらにさらに、大津町の陶芸家"円満寺釜"様に銅銭糖カフェ専用のワンプレート皿(陶器)を製作していただき、そのお皿でメニューをご提供いたします。
大津町の魅力をお楽しみください。
そして最終日、25日には浪花屋本店様7代目による、銅銭糖作りの実演を予定しております。
開催場所は"伝統と現代がクロスオーバーする場所"「熊本県伝統工芸館」の1階フロアになります。
日時:2018年2月20日火曜日〜2018年2月25日日曜日
10:00〜16:00(ラストオーダー15:30)※25日は~15:30(ラストオーダー15:00)
場所:熊本県伝統工芸館1F
主催:熊本県立大学丸山研究室
共催:一般財団法人熊本県伝統工芸館
特別協力:浪花屋本店/綿屋製菓有限会社/高野屋
 
協力:TG珈琲/ギャラリー&和カフェ水車物語/有限会社お茶の福本園/円満寺窯/有限会社ジョンブル貿易
※本事業はくまもと里モンプロジェクトの助成を受けて実施します。
お問い合わせ先
TEAMDOSENTO宛て
メール:dousento.project@gmail.com
電話:096-321-6687(熊本県立大学丸山研究室)
 
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Q活動を通じての苦労、やりがいとは何ですか?
 
活動を開始した当初は銅銭糖やその歴史について、大津町についてなど分からないことが大半でした。
銅銭糖を取り扱っているお店も2店舗だと思い活動をしていた時期もありました。
それほどに大津町には銅銭糖の歴史として残されている文献が少ないという現状がありました。
手探り状態で仮説を立て、プロジェクトを進めていくことは苦難の連続でした。
しかし、情報を求めながら多くの関係者の方を訪問し、またその人から新たな情報を得ていったことで「銅銭糖」というお菓子を中心に大津町のたくさんの人や物とつながることが出来ました。
ある人がボソッとつぶやいたことが思わぬヒントにつながり進展していったときはひと際喜びも大きかったです。
160年以上の歴史の中で受け継がれる銅銭糖職人の想いを拾い上げ、後世へと伝えていく鍵は自分たちにあるのだということを強く感じています。
私たち自身も銅銭糖という郷土菓子に愛着を持つようになり、これから100年、200年と次の世代に伝えていく第一歩は「今」しかないということにやりがいを感じ活動に取り組んでいます。
 
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Q活動を通じてのもっとも印象的なエピソードは何ですか?
 
もっとも印象に残っていることは、昨年の12月に大津室小学校で行われた台湾修学旅行生の銅銭糖製作体験に立ち会わせていただいたことです。
当日は10名前後の小学生を迎え浪花屋本店7代目様が体験講師を務められました。
言葉が通じない中でも動きや表情などを工夫し銅銭糖の素晴らしさを子どもたちに教え、子どもたちもそれに応えるように楽しそうに銅銭糖作りに取り組んでいました。
長年受け継がれてきた職人の技をすぐに真似することは難しいですが子どもたちの中で銅銭糖は、旅の良き思い出の一つとなったように感じました。
落雁文化が少しずつ薄れてきている現代において国内だけでなく海外のシェアにも目を向けることは素晴らしいことだと思います。
将来、台湾の子どもたちが銅銭糖を片手に日本、あるいは自国を歩く姿を想像することが出来た印象深い活動でした。
 
Q最後に、熊本県民にPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどありましたら教えて下さい。
 
私たちは熊本県民の方々にまずは銅銭糖という郷土菓子について知ってもらいたいと考えカフェ開催の準備やパンフレット作成などの活動を行ってきました。
銅銭糖は160年という歳月を表すかのような興味深いストーリーや大津町民の“想い”で溢れています。
私たちは銅銭糖が誕生した「過去」を知ってもらい、そこから辿ってきた「今」を見つめ、大津の郷土菓子としての「これから」をたくさんの方に考えていただき、支えていただきたいと思っています。
そして、この想いの詰まったお菓子がもう100年、200年と長く続いていくことが私たちの「夢」でもあります。
今回のプロジェクトがその大きな夢の第一歩となり大津町から熊本県へと輪を広げ繋げていくことを願っています。
 
今日の月曜対談は、「熊本大学丸山研究室」の生田健誠さん、古庄日菜子さん、井上稔梨さんをお迎えしました。
 
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