清和文楽演者 渡辺奈津子さん

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
今日は清和文楽演者の渡辺奈津子さんがゲストでした。

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●ご出演者のプロフィール
 
名前:渡邊奈津子(ふりがな)わたなべなつこ
所属:一般財団法人清和文楽の里協会職員(清和文楽館清和物産館)
プロフィール: 
平成元年5月9日生まれ熊本県上益城郡山都町(旧清和村)出身
高校卒業後、福岡の製菓関係の専門学校に1年行き、熊本市内の洋菓子店に就職しました。
約5年間務め退職し、それから兵庫県の淡路島にある淡路人形座の方に2年間、太夫と三味線の修行を終え、それから清和文楽の里協会の職員として就職しました。
趣味は映画観賞と音楽鑑賞です。
またお菓子作りも好きで、家族や友人に誕生日ケーキも作ります。
ホームページ、ブログなど:http://seiwabunraku.hinokuni-net.jp/
 
Q「清和文楽」とはどういったものか教えて下さい。
 
清和文楽は、熊本県において、現在唯一残っている人形浄瑠璃芝居です。
江戸時代末期に、淡路島から訪れた旅の人形一座から、地元(旧清和村)の農家の人々が一座から人形を譲り受け、操り方を習ったのが始まりとされ、永い間、地元の農家の人々により受け継がれてきました。
一時衰退した時期もありましたが、昭和初期に復活し、昭和54年に熊本県の重要無形文化財の指定を受けています。
平成4年に専用劇場「清和文楽館」が出来てからは、年間170回程の公演を行っています。
 
Q 渡辺さんの「清和文楽」との出会い、渡辺さんの仕事について教えて下さい。
 
初めて文楽をみたのは小学校の時で、その時は正直全く興味がありませんでした。
しかし大人になるにつれ、物語の内容が理解できるようになり、私も将来的には地元に貢献できる仕事に就きたいという気持ち、また音楽が好きなので、あの舞台で三味線が弾きたいという気持ちもあり、おもいきってこの仕事に応募しました。
お芝居では、物語の情景・人物の感情を表現する太夫、三味線弾きを担当しています。
お芝居がないときは、清和物産館の方で栗のお饅頭、羊羹作り、またレジや接客をしています。

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Q 難しい所やこだわりについて教えて下さい。
 
太夫の語りは関西弁なので、関西弁のイントネーションが難しいです。
三味線の方は、本番中は何も見ることができないので、音と指の感覚で覚えていくのが難しいです。
舞台に出ている時は常にお客様に見られているので、普段の生活でも心がけています。
 
Q 2年前に「淡路人形座」での2年間の修行を終えたそうですが、淡路では具体的にどんな修行の日々だったのですか?
 
太夫、三味線の稽古はもちろん、礼儀なども学びました。
舞台に出る時は最低でも1時間は正座なのでまず正座に慣れるのがとても大変でした。
お稽古がない時はお客様の接客や舞台の準備をし、また座員さんの普段の会話を聞いて関西弁も学びました。
修業先の淡路人形座の方々はとても温かい方ばかりだったので、2年間安心して稽古に取り組むことができました。
 
Q 修行を経て、それまでの「文楽」への考え方、携わり方に変化はありましたか?
 
文楽は難しいイメージでしたが、毎日のお稽古を経て物語の内容も理解できるようになり、映画と同じように人を感動させることができる立派な仕事だなと感じました。
その影響で、今後は若い方にも文楽を気軽に見てもらい、感動して頂けるよう立派な人材になりたいと考えています。
 
Q「清和文楽館」を訪れるお客さんには、どんな所を見てもらいたいですか
 
まだまだ未熟ではありますが、人形の動きはもちろん、三味線の繊細な音色、三味線弾きに負けないくらいの太夫の人物の語り分けなど、耳でも人形浄瑠璃を楽しんで頂けたらなと思います。
また清和文楽オリジナル作品の【雪おんな】は、小さいお子さんでも楽しんで頂けるのでぜひ家族連れでもお越し頂きたいです。
 
Q これからどのように「清和文楽」に携わっていきたいと考えていますか?
 
清和文楽を知らない方々がまだまだいらっしゃるので、一度劇場に足を運んで頂き、お客様に清和文楽の素晴らしさを伝えれるよう日々練習に励みたいと考えています。
また後継者育成の為、地元の方々、小中学生に積極的に講座等を開いて、指導していきたいです。
 
Q「清和文楽館」の公演スケジュールや鑑賞方法について教えて下さい。
 
清和文楽館では、定期的に公演を行っており、7月から11月までは毎週日曜日。
12月~6月までは、第2・第4日曜日に公演を行っております。
開演時間は、いづれもお昼1時30分からで、所要時間は約1時間です。
鑑賞料金は、高校生以上1600円。
中学生1000円。小学生800円です。
定期公演以外、臨時の特別公演。
また、ご予約での公演も受け付けておりますので、詳しくは、清和文楽館、電話0967-82-3001までお問い合わせください。
 
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