映画「アントマン&ワスプ」

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キネマのススメ


毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「アントマン&ワスプ」です。
 
「アイアンマン」や「キャプテン・アメリカ」など、マーベルコミック原作の映画は、日本の映画ファンの間でもすっかりおなじみになりましたよね。
このアメコミ映画ブームを生み出したのが、「マーベル・シネマティック・ユニバース」、通称「MCU」という世界観を共通させた一連のシリーズです。
 
単体の映画として観ても面白いけれど、ひとつの大きな物語としても連動しているというのが、この「MCU」の魅力です。
この「アントマン&ワスプ」は、2008年の「アイアンマン」から数えて、「MCU」の20作目となる記念碑的な作品。
 
とはいえ、“ヒーローたちの関係が複雑すぎて、最近はついていけない”という方も、いらっしゃるんじゃないでしょうか?
そんな方にぜひおすすめしたいのが、今日ご紹介する映画「アントマン&ワスプ」です。
 
主人公の「アントマン」は、特殊なスーツを着ると、体長1.5センチになるという異色のヒーロー。
体の大きさを自由に変えて戦います。
この作品もシリーズ2作目を数える、れっきとした人気者なんですが、なんと、マーベルヒーローが集結する「アベンジャーズ」シリーズには、“テイストが違いすぎる”という理由で、呼んでもらえません。
前作の「アベンジャース インフィニティ・ウォー」では、アントマンたちの姿は、一瞬登場しただけでした。
あのハードなストーリーに「アントマン」を組み込むのは難しかったのだろうと思われます。
しかし、だからこそ、この「アントマン」シリーズは、「アメコミ映画初心者」にこそピッタリなんです!
この映画を観てから、遡って「MCU」の世界を楽しむのには、丁度いい作品です。
 
主人公の「アントマン」ことスコット・ラングは、バツイチで無職の中年男性。
「シビル・ウォー」で大活躍したものの、法律違反のため逮捕され、今はFBIに監視され、自宅軟禁の日々を送っていました。
そんなある日、アントマンスーツの開発者であるハンク・ピム博士と、彼の娘ホープが現れ、2人が極秘で進めている計画への協力を要請されます。
そんな中、ピム博士の研究技術を狙って、すべての壁をすり抜ける謎の敵、ゴーストが現れます。スコットは、ピム博士の娘・ホープとタッグを組み、ゴーストに立ち向かうのですが・・・。
 
今回のタイトル「アントマン&ワスプ」の、「ワスプ」となるのが、このホープ。
ワスプは、アシナガバチやスズメバチなど、狩りをする蜂のことで、その名の通り、蜂の姿のスーツを着て戦います。
 
大きくなったり、小さくなったり、自在に姿をコントロールする見た目に楽しいアクションも見どころですが、注目したいのが、監督のペイトン・リードが、往年のロマンチックコメディを参考にしたという、「アントマン」と「ワスプ」のコンビネーション。
 
ハワード・ホークス監督の「ヒズ・ガール・フライデー」に出てくるケーリー・グラントとロザリンド・ラッセル、フランク・キャプラ監督の『或る夜の出来事』のクラーク・ゲーブルとクローデット・コルベールなどを参考にしているそうですが、 ストーリー全体を構成する上で最も参考になったのはロバート・デ・ニーロ主演の「ミッドナイト・ラン」だったそうです。
軽口をたたきながら逃げる設定が、この作品にもうまく生かされています。
「アントマン&ワスプ」の友達以上恋人未満のドキドキ感や、漫才のようなセリフの応酬などは、シリアスな他のマーベル映画とはちょっと違っていて、マッチョなアメコミ映画が苦手な女性にもとっつきやすくなっていますよ
 
さらに見どころは、ピム博士と妻のジャネットの若き日を描いた場面。
大物俳優マイケル・ダグラスとミシェル・ファイファーが演じているんですが、CGと特殊メイクで30歳若返った姿で登場します。まったく違和感のない若さでビックリすると思いますよ。
同じ、シーンでローレンス・フィッシュバーン演じるビル・フォスターの若い日の姿も登場していますが、こちらはCGでなく、ローレンスの実際の息子ラングストン・フィッシュバーンが演じています。こちらもそっくりです。
 
なお、最後には、今後のアベンジャーズとの関わりを予感させる貴重な映像もあるので、アベンジャーズファンは、エンドタイトルもぜひお見逃しなく!
 
今日ご紹介した映画「アントマン&ワスプ」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■ユナイテッドシネマ熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「アントマン&ワスプ」オフィシャルサイト
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