映画「翔んで埼玉」

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キネマのススメ


毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、今週金曜日・2月22日から公開される「翔んで埼玉」です。
 
東京の隣にありながら、“あか抜けない”、“なんかダサい”という印象から東京どころか地方からも「ダ埼玉」と言われてしまう、埼玉県。
この埼玉県を、潔いほど自虐的に描いたのが、今日ご紹介する映画「翔んで埼玉」です。
宣伝コピーがまた自虐的で話題。「邦画至上最大の茶番劇」です。
 
原作は、「パタリロ!」で知られる漫画家・魔夜峰夫が1982年から83年にかけて発表した幻のギャグ漫画。
未完のまま、86年の短編集の中に収録され、発売されましたが、当時は大して注目されませんでした。
ところがこの衝撃的な内容がSNS上で話題になり、発表から30年以上を経た2015年に復刊。
テレビで紹介されたこともあり、なんと2016年2月に50万部を突破、今年1月には69万部を売り上げるなど、大ヒットになったんです。
発表からこんな時を経てベストセラーになるというのは、極めて珍しいこと。
今回は、豪華キャストによる冗談のような映画化です。
 
さてその内容ですが、舞台は、埼玉県民が東京都民に虐げられている架空の日本。
東京都知事の息子で、東京のトップ高校・白鵬堂学院の生徒会長をつとめる壇ノ浦百美は、ある日、アメリカ帰りで容姿端麗な謎の転校生、麻実麗に出会い、淡い恋心を抱くようになります。
しかし、ひょんなことから、実は麗が埼玉県人という、衝撃の事実が発覚!
将来、東京都知事になって埼玉を解放するために、幼いころからアメリカにわたり、チャンスを狙っていたのです。
名門・白鵬堂学院への潜入も、すべては、埼玉県のためだったのです。
麗は百美に別れを告げて、故郷の所沢へ戻り、「埼玉県民解放運動」を始めるのですが・・・。
 
主人公の2人、百美と麗を演じるのは、二階堂ふみとGACKT。
二階堂ふみが男性役を、GACKTが高校生を演じるというので、かなり話題になっていますよね。
また、原作者の魔夜峰夫さんと、そのご家族も映画の冒頭に特別出演しています。
チョイ役で著名人がたくさん登場してきますので、そのあたりもお楽しみに!
埼玉出身の著名人を事前にチェックしておくと、より笑えると思います。
 
映画の中には、とにかく「埼玉自虐ネタ」が満載です。
東京都民に紛れ込んだ埼玉県民を判別にするために、埼玉名物のシラコバト付きの草加せんべいを踏ませる「踏み絵」とか、一流の東京都民を証明するために瓶に入った空気をかぐだけでどこの空気が入っているのか当てる「東京テイスティング」など、とんでもないギャグ描写が満載です
 
監督は、「のだめカンタービレ」シリーズや、「テルマエ・ロマエ」シリーズで知られる武内英樹監督。
マンガをうまく実写化してきた監督なので、今回も期待を裏切らないオモシロさです。
 
「茶番劇」と自虐しているものの、決して低予算の映画ではなく、お金のかかったスケールの大きなシーンもたくさん登場します。
東京都庁前を封鎖して、1000人以上のエキストラが参加したクライマックスのシーンは圧巻。
都庁前の4車線を封鎖しての大スケールの場面が展開しますので、お見逃しなく。
 
公開前には、上田清司埼玉県知事のもとを、二階堂ふみらが表敬訪問。
かなりビビッていたそうですが、武内監督はその場で、
「このような映画を作って申しわけありません。ですが、決して埼玉をディスることがテーマなのではなく、江戸川をはさんで、埼玉と千葉、どちらが上かというスペクタクルを描きたかったんです。自分は千葉出身ですが、埼玉とはライバル関係で、いつかその戦いの先を描いてみたいと思っていました。是非見ていただきたいです。」と懇願。
なんと埼玉県知事の「公認」もとりつけたそうです。
 
埼玉を“これでもか!”というくらいにディスりながらも、その奥にある「大きな愛」を感じてしまう1作。
その愛すべきバカバカしさを、存分に味わってください!
 
テレビやパソコンのモニターでなく、大きなスクリーンで観てこそ笑いが倍増するそんなコメディ映画です。
是非、映画館でご覧下さい。
 
今日ご紹介した映画「翔んで埼玉」は、
■ユナイテッド・シネマ熊本
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■イオンシネマ熊本
で、今週金曜日・2月22日から公開されます。
同じ日2月22日には、「アバター」のジェームス・キャメロン監督プロデュースのハリウッド超大作「アリータ バトル・エンジェル」も日本公開。
「邦画至上最大の茶番劇」こと「翔んで埼玉」が、2億ドルの超大作に対して、どんな戦いを見せるのか、これは注目ですよ!
 
「翔んで埼玉」オフィシャルサイト
 
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