熊本イラストレーターズクラブ・ moGさん

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
熊本イラストレーターズクラブからイラストレーターのmoGさんがゲストでした。
去年、出版された絵本「隈府にわかとえんま大王」について伺いました。

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●ご出演者のプロフィール
イラストレーターmoG     (ふりがな)イラストレーターもぐ
所属: 熊本イラストレーターズクラブ
 
プロフィール:熊本在住、イラストレーター。
九州各地で 個展やイベントに参加、オリジナル作品の発表を行う。
女性特有の優しいテイスト表現を得意とし、見ていただいた方の心をじんわり温めるイラストレーションを目指して制作しています。
今​回ご紹介させていただく絵本は、登場人物の制作を担当しました。
 
ホームページ、ブログなど:  https://mogart.jimdo.com
 
Q まず、「熊本イラストレーターズクラブ」について基本情報をお願いします。
 
正式名称 / 熊本イラストレーターズクラブ
 
問い合わせ / メールかFacebookよりお願いします。
● mail / o​ekakikumakuma@gmail.com
● facebook / kumamoto illustrators club 
熊本を拠点に活動するプロイラストレーター集団。
現在6名で活動しています。
 
Q「熊本イラストレーターズクラブ」は、いつごろどんなきっかけで結成されましたか?
 
1990年に発足したチームです。
当時は熊本の「イラストレーター」のレベル向上と作品の公開を目的に発足。
展覧会を中心とした活動だったようです。(現在は当時のメンバーは残っていない)
◆2014年にメンバーが一新。
地元貢献につながる活動内容に移行していこうと、
「肥後民話の掘り起こし」
「地元の職人さんと行うものづくり」
このふたつの活動を柱とした団体に生まれ変わりました。
 
Q「熊本イラストレーターズクラブ」でこれまでどんな活動をやってきましたか?
 
●3sun会
奇​数月の第3日曜日にスケッチ大会を細々と開催しています。
 
●てぬぐい制作   島崎の「間林染工場」は、昔から伝わる「注染」という技法を守っておられます。
その技術をこれからも守っていただきたいなあという尊敬の念で、我々の描いたイラストをこちらの工場で染めていただいています。
今、そのてぬぐいを使って手作りグッズの制作にも取り組んでいるところです。

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●肥後民話の掘り起こし 
1作目に高森地方にまつわるお話 「根子岳の猫伝説」を制作しました。
まだ絵本化は実現していませんが、原画展を「菊池アートフェスティバル」や 「ギャラリーアーク」さんなどで行いました。
2作目が今回ご紹介させていただく、菊池地方にまつわるお話 「隈府にわかとえんま大王」になります。

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Q 昨年、「隈府にわかとえんま大王」という絵本を制作されたそうですが、どんな本ですか?
 
● 内容 / むかし昔、肥後の国 隈府 (わいふ)というところに、芝居上手な爺さんがいました。
その爺さんがある日 ぽっくり死んでしまい、あの世へ。
あの世をさまよい歩いていた爺さんが遭遇したのは、なんと!!
世にも恐ろしいえんま大王でした。
隈府からきたと話す爺さんに、にわか芝居を見せてみろと要求したえんま大王。
その後、思わぬ展開が待っているとも知らずに。。。
 
● 値段 / 1,500円(+消費税)                  
● 発行 / 菊池市教育委員会
● 出版社 / 熊日出版
● 絵本制作の詳細 / 熊本県に伝わる肥後民話を、図書館の書庫から掘り起こし、参考文献(主に荒木精之さんの本)を元に、当クラブのコーダ・ヨーコが”再話”という形でリメイク。
くまもと森都心プラザ図書館の司書の方に、 監修していただいています。
絵はメンバーみんなで描くので、制作工程が少し特殊です。
メンバーの中の一人が登場人物を担当し、他のメンバーみんなで、背景画を描きます。
完成した登場人物画と、背景画をそれぞれ貼り合わせて一枚の絵になります。

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Q「隈府にわかとえんま大王」制作のきっかけ、制作の苦労など、詳細を教えてください。
 
 「隈府にわかとえんま大王」は 、”あの世”のお話なので、登場人物のキャラクター設定を作っていく工程に時間がかかりました。
 図書館などで、あの世にまつわる本をたくさん読んだり、特にえんま大王は、なんの知識もないところからのスタートだったので、苦労というより、楽しみながらのキャラクター設定を作りました。
 爺さんはぽっくり死んでしまうのだけど、生前いろんな人をにわか芝居で喜ばせていた人物だったので、 表情も優しい雰囲気にしました。
 えんま大王は、恐ろしい存在だけれども、子供達に楽しく読んでもらいたかったので、少しキュートな部分も加えました。
 えんまの髭は三つ編みなんですよ!
 個人的に、とても気に入っています。

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Q 活​動を通じての苦労、やりがいとは何ですか?
 
古くから語りによって伝わってきた民話。
私たちが住む熊本にも「肥後民話」があります。
しかしながら、時代とともに現代の子供達の耳に入ることは、少なくなってきたように思います。
私たちは、その「肥後民話」を掘り起こし、現代の子供達にも親しんでもらえるような物語をリメイク、さらに絵本として残していけないかと考えています。
この活動は、始まったばかりですが、末長く、ゆっくりとではありますが、   熊本の子供達の為にも、しっかり続けていけたらいいなぁと思っています。

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Q 活動を通じてのもっとも印象的なエピソードは何ですか?
 
絵本制作と共に、原画展での発表も行なっているのですが、この物語を見てくださった方々が、「こんなお話があるなんて知らなかった!」「絵もユニークで楽しい!」「くまもと弁がおもしろかー」など、 お客様と接していただける生の言葉、制作を続けるにあたりとても活力になっています。
そして何より、私たちが作ったこの作品を、”読み聞かせ”という形でたくさんの子供達に届けてくれている読み聞かせのプロ”あおぞらlotta”さん。
原画展の時はもちろん、小学校への読み聞かせの活動も精力的にされていて、とても心強く、嬉しいことだなと思います。
 
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Q ​最後に、熊本県民にPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどありましたら教えて下さい。
 
●今後の展示について
・菊池アートフェスティバルvol.3 / at. 菊池市中央図書館 キクロス
2019年5月4日、5日の2日間。
・「隈府にわかとえんま大王」原画展 / at.長崎書店内ギャラリー 
2019年7 月中旬〜8月いっぱい
 
●「隈府にわかとえんま大王」絵本販売店について
・菊池市中央図書館キクロス 受付
・TSUTAYA書店 嘉島店
・長崎書店(上通り)、長崎次郎書店(新町)で、販売中です。
 
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