映画「声」

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キネマのススメ


毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています「キネマのススメ」。
今回は、ゲストを迎えてのスペシャル・バージョン。
今日ご紹介するのは、熊本で撮影された映画「声」です。
今日は、この映画「声」の脚本、主演をつとめた上村清彦さんにスタジオに来ていただきました。

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●ご出演者のプロフィール
 
名前:上村清彦(ウエムラキヨヒコ)
所属:ゼーロンの会(公財)島田美術館
プロフィール:1956年菊池郡七城町(現菊池市)生まれ。
ゼーロンの会代表。島田美術館職員。演出家。作家。俳優。
 
Q まず映画「声」に関する基本データをお願します。
 
タイトル : 声
監督 : 越智康雄(オチヤスオ)
出演 : 上村清彦 / 中村朋世 / 山田みはる / 田中佐和 / 村上百代 / 福岡鋭一郎 / 牛島麗子 他
お問合せ : 090-9583-8061(上村)
ホームページ
 
Q 映画「声」がつくられた「きっかけ」をお願いします。
 
越智監督から、福岡に盲目でありなおかつ重病を抱えながらも懸命に生きておられる医者がいる、この人を源泉として映画を撮りたいという話があったのがそもそもの始まりです。
その方には一度お会いしましたが、残念ながら昨年死去されました。
脚本を担当する際、これはロードムービーにして、主人公は動き続けた方がいいと考え、盲目の人の旅という少なからず無理のある設定にしました。
監督に要請したのは、観光ビデオにしてくれるな、医療ドラマ、身障者ドラマにしないでほしいということです。
 
Q 映画「声」の簡単なストーリーをお願いします。
 
失明し絶望の淵にいる医師根岸は、半ば自暴自棄で介助人を伴って旅に出ます。
楽しみなど期待もしていない旅でしたが、行く先々で人々と触れ合っていくうちに、閉ざされていた根岸の胸に少しずつ変化が起こります。
一方、都会で荒んだ暮らしをおくっていたリリィは、ある日、9年前に捨てて来た故郷の父親が死んだことを知ります。
咄嗟にリリィの足は故郷に向かうのですが、やはり帰れず、行き場を失ってしまいます。
根岸とリリィ、この二人が繭島で出会います。根岸は、リリィを説得し、共にリリィの故郷を目指しのですが、リリィには大きな秘密があったのです・・・。
 
Q 映画「声」は、熊本で撮影された作品ですが、具体的にどんな場所が登場してくるのでしょうか?
 
ロケ地を列挙しておきます。
 
上天草市龍ヶ岳町樋島
上天草市龍ヶ岳町望薩峠
上天草市姫戸町二弁当峠
上天草市大矢野野釜島
宇城市三角町
熊本市(繁華街・豊肥線沿線)
大津町(スナック花いちりん)
菊池市(岩根クリニック)
 
Q 映画「声」の見どころなどあればお願いします。
 
見どころと言えば、すべての一秒一秒です。
監督には「呼吸の深い」映画をお願いしました。
 
Q 今回、上村さんが、脚本・主演という大役をつとめられました。
舞台では「ゼーロンの会」で長いキャリアのある上村さんですが、舞台と映画の違いなどありましたか?
 
脚本で大いに苦しんだことは、映画の脚本は書きすぎてはいけないということです。
映画は半分以上映像が語ります。
台詞なんて邪魔なだけです。
恐いものだからついつい台詞で説明してしまう。
もっともっと映像に任せるべきでしたね。
反省しています。
演技もずいぶん抑えたつもりでしたが、まだまだ舞台の演技で、映画が呼吸するのを妨げていますね。
舞台も呼吸してますが、その呼吸の質がまったく違います。
ですから、ただ抑えてもいけないんですね。
今回いちばん学んだことです。
 
Q 主題歌・かとうれい子さんの歌う「あなたの声がきこえる」がヒット中とのことですが、この曲について、詳しく教えて下さい。
 
私の脚本がひょんなことから作詞・作曲家のたきのれいじさんの手に渡り、たきのさんは強い衝撃を受けその晩のうちに書き上げられたと聞いてます。
何を歌っているのかさっぱりわからない歌が氾濫、消費される昨今、何を歌っているのかちゃんとわかる歌ですね。
邪魔なだけのダンスもパフォーマンスも要らない。
一人の歌い手さんから一人の人の胸に真っすぐに届けられる歌ですね。
反時代的で素晴らしいと思います。
 
Q 映画「声」が、いよいよ4月5日6日7日に熊本市新市街のDenkikanで上映が行われるそうですが、詳細をお願いします。
チケットはどうすれば手に入りますか?
 
上映は、18:40スタート
料金は前売、当日ともに1800円で同額です。
前売券も用意してますが、いつものようにDenkikanに行かれてそこでお買い求め下さい。
お問合せ先は、090・9583・8061(上村)
 
Q 最後にリスナーへのメッセージをお願いします。
 
東京の大資本がなくても、有名俳優が出演しなくても、魂があり、それをを共有できればまっとうなものが作れるんだという自負を今持っています。
愛する人の声、大切な人の声、そして、故郷の声。
この映画は、それがどんなに大事か、どれほど心を支えているか気づかされる映画です。
一人でも多くの方が見に来ていただけると嬉しいです。
 
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