社会福祉法人 熊本いのちの電話事務局 池田菖子さん

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
社会福祉法人 熊本いのちの電話事務局の池田菖子さんがゲストでした。

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●ご出演者のプロフィール
名前:池田菖子(ふりがな)いけだしょうこ
所属:社会福祉法人熊本いのちの電話事務局担当
プロフィール:1947年4月生まれ
1993年(平成5年)から相談員活動を始め、今年で26年目になります。
相談員としての活動の傍ら、事務局員として勤務。
現在は研修委員として相談員の方々のケアや継続研修の担当もしています。
 
Q「熊本いのちの電話」の基本情報を教えて下さい。
 
正式名称 : 社会福祉法人熊本いのちの電話
事務局 : 096-354-4343
相談電話 : 096-353-4343
24時間対応「眠らぬダイヤル」で活動している。
 
Q「熊本いのちの電話」スタートのいきさつ、歴史などについて教えてください。
 
1982年(昭和57年)当時のホテルキャッスル社長林英夫氏の呼びかけで準備が始まり3年間の時をかけ、1985年(昭和60年)4月1日、日本で20番目のセンターとして開局しました。
自殺予防を第一の使命として24時間、年中無休「眠らぬダイヤル」の体制で活動を始めました。
本日4月1日で開局34年目の活動に入ります。
開局以来約406,000件の相談を受けています。
 
Q「熊本いのちの電話」では、具体的にどんな活動をおこなっていますか?
 
電話による援助活動です。
現代社会の中で孤独と人生の危機にあって、生きる希望や気力を失いつつある人々に対し、「電話」を通して相談者が自分を見つめ直し、再び生きる力を見いだせるよう、「よき隣人」として対話を通して援助活動を行います。
 
Q どんな相談内容が寄せられていますか?
 
相談の内容は変化してきています。
今は精神的な病をお持ちの方が多く、20代30代の方から自分を認められない、生きていて良いのか、等生き辛さを訴える相談があります。
お話を伺うと「過重労働」や「使える人だけを選別する」自己都合退職に追い込まれた結果のうつ病発症など、若者を取り巻く環境の厳しさが見えてきます。
また、熊本地震からやがて3年、家族間の問題、経済的な問題など深刻さが増している状況がみえてきます。
 
Q 活動のやりがいはなんですか?また苦労する点はなんですか?
 
対話を重ねていく内に、通じ合うときがあります。
「それは何」と言うことはできないのですが、その時は「繋がり合えた」と思います。
その瞬間は嬉しいです。
どの方とも「繋がる」までの対話は毎回が苦労です。
 
Q これまでの活動の中で、最も印象深いエピソードをお願いします。
 
これは私の相談員として基本になったエピソードです。
小学生からの電話で「おばちゃん明日遠足だけど晴れるかなー」との相談を受けました。
夕方の電話でした。
相談とも言えない電話ですが、夕暮れ時に「明日の天気は・・」とかけてきた子どもの置かれた状況を思ったとき、切なさでいっぱいになりました。
その相談を受けた頃から、かけてこられた方の背景状況をイメージするように成り、今もその姿勢は変わりません。
 
Q これまでの活動を通じてのもっとも印象的なエピソードは何ですか?
 
相談員としての基本になった事例は勿論ですが、これは「自殺念慮」の強い方からの電話でご子息を亡くされ、『毎日泣いて暮らしています。生きる甲斐がない。』と繰り返し言い募る電話をいただいたとき「今のそのお気持ち、死にたいという気持ち何%位ですか?」と言ったら
「95%」と言われました。
その時、私が「よかった」と返すと、「どうしてですか?」と言われたので「あと5%あります」と答えました。
それからいろいろ話して「泣いてもいいんですね。その5%でやってみます。」と、明るい声で言っていただきました。
 
Q「熊本いのちの電話」では、現在、ボランティアを募集しているそうですが、詳細を教えて下さい。
 
「第36期電話相談員養成講座」受講生を募集しています。
5月7日から来年3月まで、毎週火曜日の午後6時30分~8時30分まで、新町にある熊本YMCAをお借りして開きます。
約11ヶ月間を前期、後期に分けて、カウンセリング及び心理臨床に関する小講義及びロールプレイを学びます。
対象年齢は23歳以上。
受講料は、前期1万5千円、後期1万5千円(別途一泊研修費)
相談員になるには前期・後期を通して受講することが必要です。
募集の締切は4月30日です。
プログラムは、興味深いもので、まず自分を知る講座から始まります。
他者との違いを感覚的に理解するために”自分が知っている自分と、他者がみる自分”を「こうみえても私は〇〇です」というやり方の自己紹介から始めます。
 
Q 最後に、リスナーにPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください。
 
いのちの電話は「いつでも、誰でも、どこからでも」がモットーです。
一人で悩まずお電話下さい。
8月17日(土)にチャリティ公演を開催します。
未来を担う子どもたちの、精一杯の努力を皆さまに披露します。
ボランティアは、相談員と共に組織を支える方も必要としています。
チケットをお買い頂き、資金ボランティアを是非お願い致します。
 
今日のゲストは、「熊本いのちの電話」の池田菖子さんでした。
 
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