今日は、フェアトレード体験ミュージアムの明石祥子さんのインタビューを風戸南陽子がお届けしました。
熊本市中央区、新屋敷のフェアトレード商品を扱うショップ「ラブランド」は、2016年の熊本地震で被災。さらに2年後に火災が発生し全焼。それでもコンテナハウスを用いて商品の販売、活動を続けられていました。
今年5月、たび重なる困難を乗り越え、同じ場所に新たな拠点ができました。
それがフェアトレード体験ミュージアムです。
熊本市はアジア初、日本初、世界で1000番目のフェアトレードシティとしてフェアトレードを推進してきました。
その活動を仲間と共に継続しているのが明石さんです。
熊本地震から10年を経て誕生した新たな拠点にお邪魔してきました。
風戸:木造りの2階建てのミュージアムができまして、周りにお花がたくさんあります。本当におめでとうございます。熊本地震の時に大きな被害を受けられたんですよね。
明石:あの2016年の地震で、全壊してしまうんですよね。
住むところと仕事場を一度になくしてしまう。そういう体験をしました。
風戸:そこからまた、新たに拠点が誕生しました。
明石:本当に夢みたいです。10年もかかってやっとです。こういう建物ができたことが奇跡に思えるぐらい、長い10年でした。
風戸:どのようなスペースがあるんですか?
明石:今回はミュージアムということにしたんです。フェアトレードがどんなものか皆さん、よく分からないと。
名前は聞いたことあるけどっていう方が大半でしたので、ここのカフェではフェアトレドのコーヒーが飲めたり、チョコドリンクが飲めたりします。
また、フェアトレードの世界中から届いているいろんな商品を並べています。奥には今まで私が避難所として購入した、お店として使っていたコンテナを本の部屋にしてます。

デリバリーもできるようになりました。高校生がフェアトレードのアイスクリーム作ったりしたので、ぜひそれも食べていただきたいと思います。
そして2階は、体験の部屋として映画を上映したりワークショップしたり、そういう風に自由に使えます。

風戸:ここからまた新たにどういう発信をしていかれる予定ですか?
明石:実はですね、熊本市15年前にフェアトレードシティに認定されたんです。フェアトレードは皆さん教科書にも載っているのでご存知なんですけど、熊本市がその認定のフェアトレードタウンであると、ご存知の方ほとんどいらっしゃらないんですね。それとっても残念なんです。
世界にはもう2000ヶ所を超えるタウンやシティが存在してまして、それぞれの市民がお買い物で協力をしながら環境問題とか貧困問題に携わっているんですね。それを見まして、熊本ではなかなか広がっていかない現状もあるので、このミュージアムで解決していけたらいいなと思っています。
風戸:社会課題の解決を一つまずはここからですね。
明石:そうですね、拠点がなかったのが本当に大変だったので、やっと私が今まで住んでたところにやっと帰ってこれました。さらに皆さんたちにあと思い残すこととしたら、フェアトレードタウンになっているけど、ほとんどの方がご存知ないという現状があるので、そこを解決したくて、この活動を始めました。
風戸:改めて熊本地震からどのような10年でしたか?
明石:もう本当にいろんな災害を体験しました。地震で全壊の後に全焼したり、あと怪我をしたり両親を看取ったりしてなかなか立ち上がれなかったんです。で、その中で、でもフェアトレードだけは希望を捨てないで、これだけは続けていきたいなと思いました。
風戸:立ち上がれなかったところから続けてこられた、何がその力になりましたか?
明石:フェアトレードタウンタウンが世界中でどんどん増えています。そしてそれに関わる市民の人たちが自分たちの経済やお買い物で世の中が変わる方向に進んでいる。それをいろんなところで見てるわけです。希望を持つことができるんです。で、それを若い人たちと共にやることで、未来に希望を持ちながら暮らしていきたいなと思ってます。
風戸:希望を常に持っていたと。
明石:いろんなところで、目撃してきましたというか、現地に行ってみたわけですね。そしたら生産者さんたちも非常に楽しく暮らしてまして、で私もそれを使うことで非常に安心安全なものを使えるし、やっぱり親が子供を、自分の手で育てるっていうのは大事なことだと思います。それをフェアトレードが可能にしてるんです。
また平等っていうのがとっても素敵だなと思います。どんなところに生まれても人間としてね何か過不足があるわけではなく、ちゃんとフェアトレードは守ってるんですね。これが広がっていくといいなと諦めないでやり続けたいと思ってます。
風戸:諦めないってやっぱり大事ですね。
明石:諦めるのは簡単ですよね。いろんな理由をつければ。家がないとか両親の世話がありますとか、言えばすむかもしれないんですけど、そういうことを体験したのが非常に私にとって良かったんです。
生産者さんたちの立場に立ったような、なかなか立ち上がれなかったことが実はすごくいい経験だったのかもと思ってます。だからこう継続して、持続可能な継続が本当に大事なんですよね。私が諦めてきたらそれがもう終わってしまうというか、1人でも諦めない方がいいかなと今でも続けてます。
特に若い人たちがフェアトレード関わってくださるので、それに希望を持ってるんですね。彼らの純粋な気持ちが非常に力になるんです。原点に戻るというか、一番大事なことは何だったかなというときに、若者たちと一緒にやれているそういうことが非常にこう大事だと思ってるんです。次の世代の人たちにバトンを渡したいなと思います。
風戸:世界の様々な地域でフェアトレードトレードのシステムが人々に希望をもたらしているのを見てきた明石さん。
立ち上がれない時も希望を持ち続け、活動を続けられての今です。フェアトレード体験ミュージアムへ皆さんもぜひお越しください。