2026年8月9日「作曲家 吉田敬さん」
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今日は、熊本在住の作曲家・吉田敬さんに本田みずえがお話をうかがいました。2016年の熊本地震の直後、吉田さんは自分も被災者でしたが、音楽の力で元気を届けたいと余震が続く中、益城町文化会館のグランドピアノで、即興で音楽を奏で、16曲をおさめたピアノアルバム「From K」をリリースされました。アルバムを制作した思いや、ここ数年の活動などについてお話をうかがいました。
吉田さんは「From K」というピアノアルバムを10年前の地震の後、益城町文化会館で余震が続く中、制作をされたということなんですが、そのアルバムを作ろうと思われたのはどういうことからだったんでしょうか。 10年前の話ではあるんですけど、そのアルバムを作る前ぐらいに避難所の方にボランティアの演奏にちょっと行こうかなって顔を出したことがあったんですけど、まだそんな状態ではないという空気感を感じたことがありまして。こうなるとやっぱり自分で何かできることって何かなっていうのをすごく考えたことがありました。 その際に僕は地元が好きなので、その益城で音楽でできることっていうと、益城町文化会館というホールがありまして、一番音楽をやるには適してるというところもあったので、そこで何かができないかなと思いまして。 言葉で伝えるよりも、音楽で伝えるというのが僕の中では一番表現しやすいことかなと思ったので、1回益城町文化会館にちょっとお邪魔して、こういう形でやってみたいんですけどって相談させていただいて、館長さんにオッケーをいただいて。まだ余震がちょいちょい来てたもので、1日だけだったら大丈夫っていうことでしたので、朝9時ぐらいから夜9時まで半日かけてレコーディングしました。 アルバムのタイトル「From K」にも思いが込められているということですね。 Kにした理由は、僕の名前が実は吉田圭なのでそのKもあるんですが、他に「熊本から」っていう意味合いを求めてもあります。当時、実は自分のバンドで全国を回ってたんですが、地震が起きて1ヶ月後ぐらいにはあまり報道も何もされなくなってきたんです。 それがなんかちょっと怖さも感じたし、忘れられてはいけないものではあるし、まだ全然復興も何もしてないのになんかまるでそのなんか流行りものような形だったので、それが自分の中でも納得いかなかったので、熊本からこういうのがまだあるというのを知らせたい、そのFrom K、お手紙っていう形でこのタイトルにしたんです。 今バックでおかけしているのは、このアルバムの2曲目にクレジットされている阿蘇の大観峰の景色を曲にしたという「Earth Collar」です。このアルバムには 16曲が収められていますが吉田圭さんといいますと、朗読声への贈り物の公開イベントの時にいつも即興でBGMをつけてくださって、私は大変朗読の時に助かっているですけれども、今回のピアノアルバムも即興で思いのままに弾かれたということですね。 はい、そうですね。先ほど申し上げた通り、その12時間の中で120テイクぐらいあって、その中の16曲だったんです。結構たくさん、もちろんミスったりとかもいろいろあったんですが、この中で形の良いやつということで。もちろんそのいくつかは初めからちゃんと曲を少しは構成してるものもあったんですけど、それ以外にもそのまま即興で弾いてみたっていう曲もあります。 僕は一部のファンの方ならご存知なんですけど、裸足で弾くのが好きで、一体化するというか、ピアノでなんとなく言葉を話しているような雰囲気になるっていう形で。いろんなことがあってピアノで伝わればって思ってるので、12時間喋り続けたみたいなところですね。 ピアノと会話して思いを曲に乗せてということですね。売り上げの一部を益城町の復興の募金に寄付されたということですが、吉田さん最近は「GHEME」というバンドでも活動してそうですね。ここも2、3年ぐらいの活動なんですが、僕も今年で実は48なんですが、年を取ってからもう一度バンド活動をしようみたいなのはあるはあるんですけど、昔だと親父バンドと言われたりとか、やることに関して少しなんか揶揄されるような言い方をするんちょっとそれが納得いかないところも少しあって。そんなことを思っている中、うちの今リーダーのテップから一緒にやらないかっていう話があって、もう1回やってみたいなと。 僕は2回ぐらいロックバンドとかで、いろいろとレコード会社さんにもお世話になったことあったんですけど、もう1回やってみてもいいかなと思って今始めたとこでです。おかげさまでなんか若い子たちにも逆に言うと先輩たちのバンドにも呼んでいただけるような形になって。活動自体はおじさん達でもこんぐらい頑張ってやれるよみたいな感じでもあるし、同時に別にかっこいいこと、やりたいことに関しては年齢は関係ないよっていうことも言えてるような感じがするので、今それはすごく楽しくやってます。 今バックでおかけしているのは、バンドのアルバムから「thread」という曲なんですが、これにはどういう意味、思いが? 僕らのバンドでは一番大事にしている曲で、ラストにやることが多いんですけど、この曲だけきちっとMCの時間をちゃんと持ってるぐらいの曲です。糸(スレッド)っていうのは、人間ってやっぱりご縁というぐらいでいろんな意図があると思うんですけど、その意図をどう紡いで、どう繋げてっていうのは、やっぱり人生の中ではいろんな方と繋がったり切れたり、いろんなことがあるんですけど、それをテーマにっていう形で。 ただ答えがない人生のものですから、ただ前だけを歩いてきてるっていうところなんで、そんな僕らの生き様を、その人生の中の糸に例えて歌ってるようなものですね。 前回のアルバムの復興支援もそういった縁、糸のようなものがやはり思いとしてベースにあったということですかね。 そうですね。音で繋がる音楽で繋がるものっていうのはやっぱり形はないとしてもですね、気持ちの糸で繋がっているのかなっていうところはあると思いますね。