2026年2月1日「企画展 宇土櫓を解く」熊本城調査研究センター岩佐康弘所長
今日は、現在熊本城天守閣で開催されている企画展「宇土櫓を解く ~解体調査成果から見える歴史~」を本田みずえが紹介しました。
現存する熊本城内唯一の多層櫓で、大天守と小天守に次ぐ「第三の天守」とも呼ばれる宇土櫓は10年前の熊本地震で建物が傾くなど大きな被害が出ました。
2年前から再建のための解体工事が始まり、昨年8月に完了。 その過程での調査成果を紹介する企画展について、熊本城調査研究センター所長岩佐康弘さんにお話をうかがいました。
宇土櫓を修理するために解体して、まあ解いていった「解く」と、宇土櫓は謎が多くいつ建てられ、どういう経緯でここにあるのかというのがわかっていません。そういった「謎を解く」という意味も込めて企画展示を現在やっています。 まずパネルですが、宇土櫓とは何ぞやということで、名前やいつ創建されたのか、あそういったところに触れています。
また、宇土櫓はデザイン的にも非常に面白くて、構造・デザインはどういうものかを図面なんかも示しながら、分かりやすく説明しています。 櫓が載っている石垣にも歴史が刻まれていて 1607年前後に築造が開始されている石垣ですが石垣の経緯や江戸時代から近代に移るまでに宇土櫓の修理で見つかったものが少しありまして、享保年間、文政年間に修理をされた痕跡が見つかっております。そういった歴史を刻む証拠というのもパネルの中で紹介しています。
宇土櫓は、実はボロボロになって倒壊寸前だった時期がありまして、それが昭和2年なんです。その当時は、西南戦争で天守閣が焼け宇土櫓が熊本城のシンボルでした。それでこれじゃいけないと、市民の方々が寄付を集めて、それをもとに当時陸軍の所管でしたので、陸軍が昭和2年に修理をしました。そういった歴史も紹介しています。
その下の展示物で目を引くのは瓦だと思います。汚れた感じですけども、多分創建当初もしくは加藤時代の瓦ではないかというものを展示しています。先端部分を見ると加藤家の家紋の桔梗紋が入っています。そういった瓦が今回解いたことで10枚以上残っているのを確認しました。そのうちの1枚を展示しています。
比較対象として、加藤家の次に入った細川家の家門の九曜紋が施された瓦を横に展示しています。加藤家から細川家につながれていったというのが、瓦の文様を見ることで伝わってくるという展示をしていますので、ぜひ見てもらいたいです。次の場所のパネルは、平成28年熊本地震の被害これがどういうものだったのかっていうのも当時の櫓が倒壊した写真を貼っていますので、その時のす凄まじさというのを思い出していただければと思います。
その地震から立ち直る姿を解体保存工事というパネルで紹介しています。宇土櫓全体が地震で歪んでしまったので、修理するためには全部解体をして組み上げようと。組み上げる際には当然その同じ部材を使いますので、一つ一つ丁寧に外して番号を打ってどこの具材だよっていうのを分かるような状態で解体を進めてきました。そういう様を紹介をします。 それと今回合わせて工事をしているのが石垣の工事です。
宇土櫓は五階櫓と続櫓という2つのセットで、続櫓の方が地震で倒壊しました。その下の石垣が地震でポッコリ膨らんではらんでしまったんです。これを修理するためには、その部分を解体をして組み上げる必要があるということで、宇土櫓の解体工事と同時にその横で石垣の解体工事も進めています。
こちらの方はまだ完了していないんですが、それを解体する中で石垣の中身を見ることができました。石垣を作るときに裏に栗石っていう小さな石が並んでいるんですが、大きめの栗石が整列している部分があって、これは何だろうかと。はっきりしたことはわからないんですが、石垣を作るときに何らかの作業のエリアの区分分け、ここは第一班が、ここは第二班がしなさいということで、その間に大きな石を置いて、自分の担当するエリアが分かりやすくなるとそういったものじゃなかったのかなと。とすると、例えばA版、B班、C班で、競わせることもできたでしょうし、いろいろそうやって想像して楽しむことができると思います。そういったものもパネルで紹介しています。
その下にある「棟札」は、当時こういった方々が携わりましたということを感謝の意味も含めて建物が建った時に屋根裏に奉納したものです。これは昭和2年のもので、実際宇土櫓を陸軍が修理をした時に書かれたものです。宇土櫓が創建された1600年代のものが残っていれば宇土櫓はいつ建てられたかという決定打になるんですが残っていないんですね。
だからこそ宇土櫓とは何者かっていうところを今探るそういった作業も同時並行で進めていますがこれはなかなかすぐに結論が出るものじゃないので、じっくりと。今から修理のための設計といった調査も含めてやっていくということになっています。この企画展示は、熊本城天守閣で3月まで開催されます。ぜひご覧ください。
この番組では、熊本地震に関連して、取り上げて欲しい要望やメッセージなどもお待ちしています。アドレスは、with@fmkumamoto.jpです。