« 行定発言!   |   5月の監督選曲 >

行定発言!

Q:映画「春の雪」は三島由紀夫の原作ですが、
 なぜたくさんある三島作品から「春の雪」を選んだのですか?
(ミューミューさんからの質問)

A:高校時代に三島由紀夫をよく読んでいたんですよ。
 三島作品というのは、青春時代の人間の稚拙さみたいなもの、
 欠落感みたいなものが介在している小説だと思うんです。。
 完璧なものを求める感じというのは、
 10代の時に読んだときの方が、
 ビビッドなんですよ。痛いんですよ。
 大人になってから読むと、
 デカダンなものや深みみたいなものを
 もっと分析的に読めるんだけど・・・・・。
 子どものころはそうではないんですよ。
 そういう意味では、「春の雪」は、
 現代に一番伝わる作品かな・・・・
 と思うんですよ。

(5月12日放送「月刊行定勲」より)