火曜日の一曲!
6時台、最初のコーナー≪マイクロ・バスターズ≫。
毎週火曜日のこのコーナーは、毎月テーマを決め「HR/HM」というジャンルに偏って、その中から独断と偏見に満ちた曲をお届けしていきます。
細かく分析してしまうと、異論・反論などあるかもしれませんが、悪しからず。
12月のテーマは、「バラード」
今日、お届けした曲は、
パリの散歩道(Parisienne Walkways) / Gary Moore
79年のソロ・アルバム「バック・オン・ザ・ストリート」収録、元フリートウッド・マックのピーター・グリーンから譲り受けたギブソン・レスポールで、伊藤政則曰く“人間国宝”の泣きのギターが炸裂、最高位8位のシングル・ヒットとなった名曲。
当時在籍していたシン・リジィのフィル・ライノットが制作に携わり、作詞も手掛けています。
歌詞の冒頭は"I remember Paris - in 49"(1949年のパリを覚えているよ)で始まりますが、これはフィルが父親に宛てたメッセージだと言われています。
1949年はフィル・ライノットの生まれた年で、パリスというのはフィルの父親の名前のことであり、フィルの父親はブラジル系黒人の軍人でアイルランド駐屯中に母親と出会っていますが、父親はフィルの顔を見ることなく帰国、フィルはその後父親と会うことはなかったそうです。
そういった自分の境遇、さらにはゲイリーの生まれたアイルランドの歴史をも、パリの風景にオーヴァーラップさせ、フィルの詩人としてセンチメンタリズムが発揮されています。
フィル・ライノットは、86年1月4日、ヘロインの過剰摂取による内臓疾患、敗血症により36歳の若さで亡くなりましたが、05年8月20日にはアイルランドへの功績を記念して、ダブリン市内に ブロンズ像が建立されるなど、今なお「アイルランドの英雄」として慕われ続けています。
97年の木村拓哉主演のドラマ「GIFT」のクライマックスで使われたほか、今年になってTV番組「サラリーマンNEO」の中で沢村一樹演じる名物コント【セクスィー部長】のキメのシーンで使用、思わぬところでこの曲に出会った人もいるはず。
現在ゲイリーはヨーロッパをツアー中で、今年9月にはNew Album「バッド・フォー・ユー・ベイビー」をリリースしています。