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2006年5月

行定発言!

Yukisada060502

Q:行定監督のお話を聴いているともう一度「世界の中心で、愛をさけぶ」を観たくなりますね?

A:「世界の中心で、愛をさけぶ」を観て、篠田昇カメラマンの気持ちを感じてほしいんです。
あの映画は、すべて篠田さんが最初に見た「目」なんですね。
手持ちカメラも多いし、ワンシーン・ワンカットで森山未来を追いかけているシーンもあります。
「どうやって撮ってるんだ?」というカメラがハードに動くシーンもあります。
すい臓癌で病み上がりの人がやったとは思えない偉業です。
仕上げの段階で篠田さんは
「俺はいま現存する35ミリというフィルムを使って、これ以上美しい映画はないだろうという映画を撮った。
もう思い残すことはない」
と言っていました。
「世界の中心で、愛をさけぶ」は彼の人生がつまった映画なんです。

(4月7日「月刊行定勲」より)

行定発言!

Q:「世界の中心で、愛をさけぶ」という作品は、舞台裏もドラマチックな作品だったんですね・・・。

A:「現実にはこんなこと起こんねぇよ!」というようなものが、
映画の中では描かれる訳じゃないですか・・・・。
でも、撮影の中でそういうドラマチックなことが実際に起きると、
勇気を与えられるんですね。
「偶然」が重なって「必然」になっている。
その「必然」がある種を蒔いて、芽が出て、
それが木になったりする・・・・・。
それがひとつの「運命」だったりするんです。
映画はそういうところが原動力になってないとダメなんですよ。
「希望」とか「運命」とか、
そういう「祈り」みたいなものが、ちゃんと入っていないと
映画としては本質を満たしていないんじゃないかと教えられますね。

(4月7日「月刊行定勲」より)

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