6月21日(木)の名盤は…
ある世代には懐かしく、
またある世代には新鮮に響く名盤の数々を紹介する「名盤iNaDAY」。
”梅雨”ということで、今週から雨にちなんだ名盤を紹介していきます。
今日はザ・ドラマティックスの「イン・ザ・レイン」をピックアップ。
ザ・ドラマティックスは、
1960年代半ばにデトロイトで結成された黒人ボーカル・グループで、
その人気、実績、実力、すべてにおいて、
ソウル・ボーカル・グループの最高峰の一つとして、
多方面からリスペクトされています。
この「イン・ザ・レイン」は1972年に全米5位、
R&Bチャートでは4週連続1位を記録した、
彼ら最大のヒット曲で、これまでに数多くのアーティストからカバーされ、
90年代にはヒップホップのネタとして、たくさんサンプリングされています。
この曲、まずは雷と豪雨のSEから始まるのが当時かなり衝撃的でしたが、
それを割って入る、ハッキリ言ってエッチ~ぃギターとパーカッションのイントロだけで、
もう歌の世界へ引きずり込まれます。
そして歌。リード・シンガーの力量が素晴らしいのはもちろん、
途中まで「ソロ歌手だっけ?」というくらい、コーラスが出てきません。
中盤からボーカル・グループらしくなりますが、これ見よがしにハモったりせず、
必要最小限で絶妙に絡んできます。
さらに歌詞。「ひどいどしゃ降りだけど、僕は外に出て行きたい。
何故なら泣いてるのを君に見られたくないから。」 殆どこれの繰り返し。
にも関わらず、僕と君がどういう関係なのか、そして今どんな状態なのかが
痛いほど伝わってきます。
楽曲、アレンジ、歌唱、三位一体となった表現力見事ですね。