8月23日(木)の名盤は…
「夏休み特別企画」!!
~「この曲はこの人のオリジナルと思われているけど、
本当はあの人の曲なんです」シリーズ~。<最終回!>
今日は「愛のコリーダ」を紹介しました。
1981年、クインシー・ジョーンズのヒットで知られ、
今なおダンスクラシックとして人気の高いDJご用達のこの曲。
オリジナルはイギリスのパンク/ニューウェイブの雄、
イアン・デュリー&ザ・ブロックヘッズに在籍する白人マルチ・プレイヤー、
チャス・ジャンケルがソロとして、1980年にイギリスでヒットさせました。
作曲もチャス本人。
大島渚監督の例の映画に感動して、タイトルだけいただいたというこの曲、
クインシー版のヒット後、チャスのレコードもすぐに日本で発売されましたが、
まったく話題になりませんでした。クインシー版の圧勝でした…!
だけど、チャス本人にしてみれば、それはどうでもいいことなのかな?
ブロックヘッズというバンドはファンクやレゲエといった黒人音楽を、
白人ならではのぎこちなさで再構築するのではなく、
黒人と同じ土俵で競い合える唯一のイギリスバンドと評価されています。
「でも実際の黒人達は、俺らのことをどう思ってんのよ?」と思ったチャスは、
この曲をクインシーへ売り込みに行きます。
それが気に入られて、しかもチャスのアレンジをほぼそのままに、
黒人音楽界の頂点ともいえるクインシー・ジョーンズがカバーしたことで、
ある意味でチャスの勝ちだった。んでしょうか?
彼は、再びパンク/ニューウェイブの世界へ戻っていったのでした。