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11月15日の名盤は

一風変わった珍しい曲の名盤を紹介しました。

イギリスにクリス・スペディングというギタリストがいます。

一般的には、それほど有名ではないかもしれませんが、

知らず知らずのうちにこの人のギターの音を耳にしている

音楽ファンはとても多いんです。1960年代から現在に至るまで、

スタジオミュージシャンとして、

おそらく数千曲のセッションに参加しているのです。

ロキシー・ミュージックには正式メンバーとして一時期在籍していましたし、

セックス・ピストルズのレコードで実際にギターを弾いたのは、

この人という話もあります。ロックを中心としながらも、

ジャズからロカビリーまで何でもこなせる天才職人ギタリストとして、

超売れっ子な訳ですが、そうなると当然のように

自分名義の活動をしたくなるのが人情ってものでしょう。

そんなソロ活動の中の1曲が、1976年にリリースした、

この「ギター・ジャンボリー」です。なんのことはない、

当時の人気ギタリストのものまねをメドレーでつなげたという、

安直な企画のノベルティ・ソングです。

本人としてもお遊びのつもりだったでしょうし、録音状態もあまり良くなく、

第一この人の技量をもってすれば、

ギターもアンプも本人と同じ物をそろえて、完璧にコピーすることが

できるであろうに、自分のギター1本で、適当にやった感が伺えます。

恐らく、こんなの朝飯前で作ったのでしょう。

ところが、これが売れたんです。

今なお、彼のソロ名義で、これを超えるヒットはありません。

本気で心血を注いで作ったものではないものが、

自分の代表作と言われてしまう不幸。

思うようにはうまくいかないのが人生、ということなのでしょうか。

でもロックファンが聴けば、間違いなく楽しめる1曲です。