« 続・冬の山鹿の楽しみ♪  |  青森のこの時季の楽しみは♪ >

風の外側

今日紹介したのは、「風の外側」です。前作「長い散歩」が、

モントリオール世界映画祭でグランプリをはじめ、三冠を獲得、

国際的にも評価された「奥田瑛二」監督の最新作です。

毎回違った切り口で人間の生き様を切り取る奥田監督ですが、

4作目となる今回は、山口県の下関市を舞台に夢を追いかける少女と、

夢を持つことを許されない青年の姿を丁寧に描いた

切ない愛の物語になっています。

今日は、奥田瑛二監督へのインタビューの模様をお届けしました。

今回はどうして青春映画を撮られたんですか?

今じゃないととれないなと思って。自分で無理してるなという風に

感じるから、60過ぎて青春映画はないなと思ってるんで。

まだ50代ならいいだろうと思って即決でした。

今回は下関が舞台ですが、どんな場所でしたか?

象徴的な場所として関門海峡がありますが、

あそこは、一日に4回潮の流れが変わるんです。

6時はべたなぎ、そして12時過ぎになると川のごとく流れたり、

人の心と同じ様に、厳しさ、優しさを象徴しているように感じます。

今回の映画でも、若さというのはもがき苦しむものだし、

夢にむかって生きていくと挫折もあるかもしれないけど、

迷いながら進んでいく、その様子を若い男女が演じています。

主演は次女の「安藤サクラ」さんですが、

一緒に映画をやるのはどうでしたか?

監督としてというよりも親として娘をみてしまって、

イライラがたまったりもしたんですが、

1週間目にして娘が女優に化けた瞬間があったんですね。

彼女のエネルギーとパワーが僕を納得させましたね。

女優というのはホントにおばけですよ。

女の子は成長するスピートが男優の10倍早い。

逆に、どこで頭打ちになるかというのが問題なんですが。

男優はなかなか成長しないんだけど、

その間の積み重ねが経験となって出てきます。

ちなみに、この青春映画、実は僕が若かったら、

こんな役をやりたいというような映画を作ったんです。

でもそんな事は主演の「佐々木崇雄」君には言わずに作ったんです。

映画を撮り終わった後に言ったら、

「もしもクランクインでそんな事言われてたら、僕は出来ませんでした」

って言われました(笑)僕がやりたかった役なんで手厳しかったと思います。

最後に、熊本のリスナーへメッセージをお願いします。

僕が一番作りたかったのは、

夢を大声で語る人がいなくなってしまった現在、

夢というのはしまいこむものじゃなくて、叫ぶもの、

だから、もっとおおいに夢を語り合って欲しい。

この映画を見ると、夢について語りたくなると思います、

だからぜひこの映画をみて夢を語ってください。

ちなみに僕の夢はこのまま映画監督・俳優をやり続け、

カンヌ映画祭のパルムドールをとる事と、

ハリウッド映画を100億円使ってつくる事ですかね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて、この映画「風の外側」は、現在Denkikanで公開中です。

奥田瑛二監督オフィシャルサイト

「瑛二独談」http://www.eijidokudan.jp/