「この道は母へとつづく」
今日紹介したのは、現在公開中の映画「この道は母へとつづく」です。
タイトルから少し内容が想像できると思うんですが、
離れ離れになったお母さんを探して、
孤児院で育った子供が旅をするという物語です。舞台は、現代のロシア。
主人公は、ロシア辺境の地にある孤児院で育った6歳の男の子ワーニャ。
彼は、裕福なイタリア人夫婦の養子に選ばれますが、
ある事をきっかけに本当のママに会いたい、という気持ちを募らせます。
独学で読み書きを覚え、資料から手がかりを見つけた彼は、
ママに会いに行くため、ある朝ついに孤児院を脱走します!
果たしてワーニャは本当のママを探しだし、会うことができるのでしょうか?
子供が商品のように扱われる、ロシアの孤児院の描写は、衝撃的です。
脱走したあとも、不良少年にからまれたり、追っ手に捕まりそうになったり、
困難とスリルに満ちている一方、彼を助ける大人も現れ、
希望のあるラストを予感させます。
ストーリーは、新聞記事に掲載された実話が元になっています。
監督は長くドキュメンタリーを撮っていた人で、
ロシアの恵まれない子供達の映画を作ろうと思っていた時に、
この話を見つけ、映画化したそうです。
リアリティーをもたせるために、撮影には本物の孤児院が使われ、
実際の孤児たちも多く出演しています。
ハリウッドや日本が、同じテーマの映画を作ったら、
ただのお涙ちょうだいになってしまいそうですが、
この作品は客観的な視点を貫き、感動をおしつけない演出です。
映画「この道は母へとつづく」は、■シネパラダイスで、現在上映中。
「この道は母へとつづく」オフィシャルサイト