3月6日の名盤は…
今日は「ブロンディ」を紹介しました。
1974年にニューヨークで結成され、最初はパンク・バンドでしたが、
徐々に音楽性の幅を広げ、紅一点のボーカリスト、デボラ・ハリーの
セクシーな魅力を最大限に活かしたヒット曲をたくさん生み出しました。
1998年に15年ぶりに活動を再開し、現在も活動中です。
ホントに多くの名曲があるのですが、今回は1980年の大ヒット、
「ラプチュア」をご紹介しましょう。
ブロンディの代表曲の中でも、少し毛色の違うこのナンバー、
実は世界の音楽の歴史を変えた、最重要曲のひとつなのです。
あまり大きく語られないのが不思議でならないのですが、
これは白人ロック・ミュージシャンによる、世界初のラップ・ミュージックなんです。
まったくの偶然で、ほとんど同時期にイギリスでは、
クラッシュが「七人の偉人」という全編ラップの曲を発表しており、
この2曲が同時に世界初の称賛を受けるべきですが、
世界的なヒットの規模からすると、ブロンディの功績が
はるかに大きいのは間違いないでしょう。
ニューヨーク、ハーレムの黒人たちがラップ・ミュージックを発明したのが、
1970年後半と言われています。
そしてラップが初めてレコード化されたのが、
1979年、シュガーヒル・ギャングの「ラッパーズディライト」。
ここからわずか1年でブロンディとクラッシュはラップを取り入れているのですから、
その早さには驚かされます。
当時の黒人ラップはアンダーグラウンドなもので、
ごく一部のマニアにしか聴かれておらず、
当然ながらラジオなんかでもON AIRされるはずもありませんでした。
そういったことを考えると、当時、世界中の音楽ファンのほとんどは、
この曲でラップ初体験だったと言っても過言ではないでしょう。
今日は、「白人初のラップ」どころか、「世界初のラップ・ヒット」、
「ラプチュア」を紹介しました。