「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
今日紹介したのは、現在上映中の「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」です。
今年のアカデミー賞で8部門にノミネートされ、
主演男優賞と撮影賞を受賞した作品です。
監督は、「ブギーナイツ」や「マグノリア」で注目された、
ポール・トーマス・アンダーソン。
現代のアメリカを舞台に、独自の視点による人間ドラマを描いてきた彼が、
今回は作風を一変!
20世紀初めのカリフォルニアを舞台に、ダニエル・プレインビューという
しがない鉱山労働者から石油王へ成り上がった男の
壮絶な欲望や裏切り、心の闇を、真っ向から描き出しています。
富と権力を手にするにつれ、黒い欲望と孤独に捕らわれていく主人公を演じた
ダニエル・デイ=ルイスは、アカデミー賞も当然と思える圧倒的な存在感。
ともすれば「嫌なヤツ」で終わってしまうキャラクターに
カリスマ的な魅力を与えています。
そんな彼と長く対立していく若い牧師、イーライを演じた、
若手演技派ポール・ダノの演技も見もの!
終盤、この2人が見せる対決シーンは、目が離せないほどの緊張感で、
映画最大の見せ場となっています。
また、石油の黒さを強調する深い陰影のある画面や、
不穏な空気を象徴するような不協和音を多く使った
ジョニー・グリーンウッド(レディオヘッド)の音楽など、
映画を構成する1つ1つにすごいインパクトがあり、
ガツーンと心に響いてきます。
2時間40分という時間を感じさせない、強烈な個性を持った作品!
ぜひスクリーンで確かめてください!
映画「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は、
■シネパラダイスで、現在上映中です。
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」オフィシャルサイト