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8月21日(木)の名盤は…

この世で最もたくさんカバー、リメイクされているのは、

ビートルズじゃないかと思うんですが、

さらに最もパロディの対象とされているのもビートルズでしょう。

ビートルズ・パロディの最高峰としては 「ラトルズ」というバンドが有名ですが、

まぁ、そんなパロディと呼べるほどの批評性はなく、

ただビートルズで遊びましたという感じで、

世界的に一番ヒットしたと思われる「スターズ・オン」を紹介しました。

オランダの有名プロデューサーが、ある日ふっと

「ビートルズの有名な曲をメドレーでつないでみたら面白いかも」と

思いついたんです。それから、いろいろな曲のテンポを合わせて、

それが不自然にならないように全体を一定のディスコ・ビートに乗せて、

ハンド・クラッピングをかぶせる。

・・・と、口で言うとこれだけの、だれでも考えそうな、安直な曲なんです。

実際、これと似たような企画は、

この数年前にフランスのカフェ・クリームというグループが

すでにやっていました。

恐らくここからヒントを得たんじゃないかと思いますが、

オランダのスターズ・オンの方が凄かったのは、その完成度の高さです。

まず、曲のつなぎの見事さ。必ずしも大ヒット曲、有名曲にこだわらず、

つなぎ重視の選曲が絶品です。

そして国内を代表する腕利きのスタジオミュージシャンを集めた

演奏コピーの忠実度の高さ。

さらに歌手にそっくりさんを持ってきたというアイデアが素晴らしかったんですね。

特にジョン・レノンの声は凄く似ています!

安直な企画でも、細部を煮詰めると名作になるという見本のようなものです。

当然のようにオランダはもちろん、全米でも1位、世界中で大ヒットとなりました。

この後を追うようにアバ、ローリング・ストーンズなど、

ジャズやクラシックまでメドレー・ブームが巻き起こりましたが、

ここまで完成度の高いものは出来るはずもなく、

あっという間にブームは終わりました。

今日お届けしたのは、1981年の曲「ショッキング・ビートルズ」でした。