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8月5日(火)のマツザキ・レコードは

今日は、

Do You Love What You Feel  /  ルーファス・feat.チャカ・カーン

を紹介しました。欧米の歌手たち、特に黒人ソウルシンガーたちの中には、

差別や世の中に対しての アンチテーゼとなる歌を歌う人が

けっこう多いのですが、その中でも彼女は本物です。

チャカ・カーンは1953年米イリノイ州生まれで、

後にシカゴに移り住みました。

本名はイベット・スチーブンスといいます。

幼いころに父親が家を出て行ったため、

母親に育てられることになりました。

早くから彼女の才能を見抜いていた母親は、

かなりのステージママだったそうです。

父親は、65年のマルコムⅩ暗殺後、60年代後半から

70年代にかけて反政府活動を行った黒人過激派組織

「ブラック・パンサー(黒豹)党」の元メンバーでした。

彼女自身16歳のころに自らブラックパンサー党のメンバーとなり、

黒人の貧しい子供たちに朝食を 配る運動に関わります。

同時に、アフリカの言語で「炎」を意味するチャカ(Chaka)を使い、

チャカ・カーン(Chaka Khan)と名乗るようになりました。

ステージ活動と政治活動で多忙になった彼女は、高校も中退しました。

そしてその才能からシカゴの人種混成の男性バンドである

「ルーファス」にメーンボーカリストとして参加し、

メジャー歌手としての道を歩み始めます。

「You Got The Love」(74年、ビルボード全米R&Bチャート1位)、

「Sweet Thing」(75年、同1位)など、

立て続けに特大ヒットを繰り出すようになりました。

彼女の声は、何と言っても広い音域が最大の特徴ですね。

若き日の「タフ」な暮らしがその後の彼女の

数々のヒット曲につながったかどうかは定かではありませんが、

ディスコブームの勢いにも乗って、「I‘m Every Woman」(78年、同1位)や

「Do You Love What You Feel」(79年、同1位)といった

ダンスクラシックの大定番を世に送り出していますね。