10月16日(木)の名盤は…
今日は、「マンハッタンズ」を紹介しました。
最近はあんまり聴かれなくなりましたが、1970年代頃までは、
“語り”から始まる歌というのが結構ありました。
そんな“語り”から始まる歌が伝統的に多いのは、
なんといってもブラック・ミュージックではないでしょうか。
その中にはジェイムズ・ブラウンのようにファンキーで
アップ・テンポのジャンプ・ナンバーまでも
語りから始めてしまう例もありますが、一般的にはやはりスローなバラッド。
特に1960年から70年代のソウル・バラッドは、
語りから始まる名曲の宝庫と言っても過言ではありません。
本当にたくさんの素晴らしい曲があるのですが、
今日ご紹介するのは、その中でも名曲中の名曲と名高い、
マンハッタンズの「涙の口づけ」です。
このマンハッタンズ、日本でもとても人気の高いグループで、
1980年の大ヒット「夢のシャイニング・スター」は、
今なおFMKでもよく流れるので耳にしたことがある人も多いと思います。
彼らの本国アメリカでの最大のヒットが、
1976年、R&Bチャート、ポップチャートともにNo.1を獲得した、
この「涙の口づけ」です。
長い間、不倫関係にあった男女が、それを終わらせるべく、
最後のデートにのぞみ、
「キスしよう。それで、さよならだ。」というラブソングです。
それを冒頭の“語り”が静かに、ゆっくりと盛り上げてくれます。
リード歌手、ジェラルド・アルストンの情感たっぷりの歌いまわし、
絶妙なコーラス・ワーク、楽曲の良さ、そして語りを加えて、
三位一体ならぬ、四位一体と呼びたい名曲ですね。