10月30日(木)の名盤は…
今日はデレク&ザ・ドミノスの「いとしのレイラ」を紹介しました。
・・・と言っても、今日紹介したのは一人のギタリストの話です。
10月29日はデュアン・オールマンという偉大なギタリストの命日でした。
ロックを熱心に聴いている人はご存知だと思いますが、
一般的にはなかなか名前だけ聞いても、知らない人が多いかもしれません。
2003年にローリング・ストーン誌が発表した
「歴史上最も偉大なるギタリスト100」というものがあります。
それで首位のジミ・ヘンドリクスに次いで2位に選ばれたのが、
このデュアン・オールマンなんです。
このランキングにおいては、UKロックの3大ギタリストと言われる、
エリック・クラプトンやジェフ・ベック、ジミー・ペイジよりも
上とされていたんですね。
クラプトンの名前を出しましたが、このデュアン・オールマンの
一般的に最も有名なプレイは、実はクラプトンのあの有名な曲
「いとしのレイラ」なんです。
クラプトンの、と言いましたが…正確にはクラプトンもメンバーの一員だった
4人組のバンド、デレク&ザ・ドミノスの「いとしのレイラ」です。
でも、デュアンはこのバンドのメンバーでもないんです。
彼は数百曲のセッションに参加したスタジオ・ミュージシャンであり、
この当時はまだデビューしたばかりの
オールマン・ブラザーズ・バンドの一員でした。
そんな彼が「いとしのレイラ」のレコーディングに呼ばれたのです。
自分とほぼ同世代の天才との遭遇にクラプトンは燃えました。
いつも以上に気合のこもった最高のギターを弾いてみせたのです。
しかし、当時すでに“神様”と呼ばれていたクラプトンのベスト・プレイを
はるかに上回るギターを聴かせたのがデュアンでした。
おそらくリスナーの皆さんの多くが
“やっぱりクラプトンのギターはすごいなー”と
思っていらっしゃる部分はデュアンのプレイなんです。
中間のソロで天高くどこまでも昇っていくような
スライド・ギターもデュアンのものです。
クラプトンがこの後、ギターよりも作曲や歌うことに重きを置くようになったのは、
ここでの敗北が大きかったと言われています。
しかし、この録音からおよそ1年後の1971年10月29日、
デュアンはバイク事故で帰らぬ人となりました。24歳の若さでした。
今も生きていたら、どんな活躍をしていたのでしょう。