1月29日(木)の名盤は…
今日は、
ボビー・ウーマックの「アメリカン・ドリーム」という曲を紹介しました。
先週のオバマ・アメリカ新大統領の就任式はまだ記憶に新しいところですが、
このオバマ氏が立候補したあたりから、主義主張の影響もさることながら、
“演説”の上手さという点でよく引き合いに出されるのが、
故マーティン・ルーサー・キング牧師です。この二人の演説の共通点として、
まず誰にでもわかりやすい単語や言い回し、
それから短いセンテンス、印象的なフレーズ、さらに間の取り方の上手さ、
そして声質の良さなどが挙げられると思います。
しかしオバマ大統領も唯一キング牧師に遠く及ばないところがあります。
それは、“歌唱力”です。
キング牧師の有名な「I have a dream」という1963年の演説を
一度でも聴いたことのある人は共感していただけるんじゃんないでしょうか。
キング牧師のスピーチは歌と言っても過言ではないと思います。
これは黒人社会の伝統ともいえるのですが、
「ブルース・ブラザーズ」という映画の中で、ジェイムス・ブラウン演ずる
牧師が説教をしながら歌になだれ込むシーンがあるんですけれども、
黒人教会ではそういうゴスペルの“コール&レスポンス“をルーツとする、
歌と混然一体となった説教が普通に行われているそうなんです。
この表現力がキング牧師は抜群なんです。
「I have a dream」については授業でも習いますし、
ステイーヴィー・ワンダーがキング牧師を讃えた名曲「Happy Birthday」の
シングルのB面でレコード化されました。
その演説をそのままこのコーナーで紹介してもいいくらいですが、
今日はその演説を歌に上手に導入した
ボビー・ウーマックの曲をお聴きください。
類まれな名歌手、ボビー・ウーマックに勝るとも劣らない、
キング牧師の“ソウル・シンガー”ぶりがお分かりいただけると思います。