« 3月4日(水)魔法のことば  |  オルファのヒミツ >

3月5日(木)の名盤は…

今日は、

女性ロッカーパット・ベネターの「ハートブレイカー」を紹介しました。

今でこそ女性がロックをやるのは普通のことですが、

昔はそうではありませんでした。

「女のくせに」などと叩かれながらも負けずに戦ってきた偉大なる才能たちが

少しずつ市民権を勝ち取ってきたのです。

女性ロッカーの流れをさかのぼっていくと、

その源流は1960年代のジャニス・ジョプリンになると言われています。

ただ、彼女は最も風当たりの強い次代を生き抜いただけあって、

あまりにも個性が強烈なため、現在では直接的に影響を受けている人は

ほとんど見られません。70年代に入ると「女性ロッカーは商売になる」と

考えた人々によって、ちょっと色モノっぽい形での売り方が主流になり、

これも現在の流れとは少し違うかもしれません。

今に続く流れが完成したのは80年代初頭でしょう。

その中でもハード・ロック系女性シンガーのメインストリームを決定付けたのが、

今日の主役、パット・ベネターであることは疑う余地がありません。

グラミー賞を4年連続で受賞するなど、

メジャー・レベルで大きな影響力がありました。

歌い方はもちろんのこと、露出の大きなレオタードに黒タイツというスタイル

(パット・ベネター・ファッションとか、パット・ベネター・ルック)も含めて、

一時期はアメリカ、イギリス、さらに日本でもそっくりさんが続出。

右も左もパットもどきが溢れるほど真似られました。

でも誰も本家を超えることができません。

それはパットは10代でオペラ歌手を目指して訓練していたため、

完璧な発声を身に付けていることや、ハードロックのイメージが強いながら、

バラードも絶品で、特に出産後は母性の優しさを感じさせるスタイルへと

移行できたこと、そして50歳を過ぎた今では着ることはありませんが、

それでもレオタードが似合うほどのプロポーションを保つ

ストイックさがあるからでしょう。

女性ロッカーの礎を築き、女王として君臨するには、

ちゃんと理由・実力があるんですね。