4月30日の名盤は…
今日は、
洋楽につけられる日本語のタイトル、”邦題”に注目してみました。
ひと昔前までは洋楽の曲やアルバムには邦題がつけられるのが
当たり前でした。原題を直訳したものもあれば、詞の一部を引用したもの、
あるいはイメージというか直感だけで勝手につけたものもあります。
こういった邦題の中には実に秀逸で、原題よりもはるかに強く我々の心に刻まれて
市民権を獲得したものもたくさんありますが、逆に“ちょっと悪ノリしすぎ”で
ハズしてしまったものも同じくらいいっぱいあります。
そんなタイトルはレコードからCD化される時や、
再発売される時に整理されることも少なくありません。
例えばシンディ・ローパーの「ハイスクールはダンステリア」。
これは今のCDでは原題そのままの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」に
変更されています。
ただ、これなんかはいかにも80年代!という感じで確かに今となっては、
カッコよさが分かりにくい邦題かもしれませんが、
リアルタイムで聴いていた世代にとっては、
そのタイトルで強烈に覚えているわけで、
今さら変えられても・・・という人も少なくないと思います。
今日紹介したのはそんな邦題をめぐっての非常に珍しい例となった曲です。
曲そのものは皆さんご存知の、カルチャー・クラブのとても有名な曲なんです。
カルチャー・クラブは1982年、
シングル「ミステリー・ボーイ」で日本デビューしました。
そして1stアルバムが発売され、2ndシングルとしてその中から「冷たくしないで」と
邦題をつけた曲を発売することになりました。
ところが、当時、イギリスの最先端の音楽を直接入手して聴いていた、
一風堂の見岳アキラが、
この曲をすでに自分で邦題をつけて日本語でカバーし、
なんとシングル・カットしていたのです。
カルチャー・クラブのレコード会社は「違う曲と思われるのもなんだから」と、
見岳さんのタイトルに合わせることにしました。
こうして原題とも詞の内容ともまったく関係ないタイトル「君は完璧さ」が誕生。
邦題が2度つけ直された珍しいケースとなったのでした。
という事で、今日は君は「完璧さ / カルチャー・クラブ」を紹介しました。