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5月14日(木)の名盤は…

今日は、

ロックの殿堂入りも果たしている大御所、

「フリート・ウッド・マック」を紹介しました。

このバンド、イギリスでゴリゴリのブルース・ロックをやっていましたが、

メンバー交代を繰り返し、どんどんポップなサウンドへ変化し、

遂には活動拠点をアメリカへ移して、

初期とはまったく別モノのようになります。今では多くのファンが、

もともとアメリカのバンドだと思っているようです。

アメリカ移住後、1975年のLP「ファンタスティック・マック」が

500万枚の大ヒットとなり、ここからが全盛期と言えます。

この時のメンバーはミック、ジョン、クリスティン、リンジー、

そしてスティーヴィの5人。

同じ面子で次の作品を制作中にドロドロのトラブルが同時多発します。

まずリーダーのミックが離婚。夫婦だったジョンとクリスティンも離婚。

恋仲にあったリンジーとスティーヴィは破局と、全員が心身共にボロボロで

お互いの信頼関係も崩れ、とても気まずい状態で、

それでも制作は続いていきます。

そんな中、自然とみんなが元パートナーへの怨みつらみ、あてつけを歌にし、

大暴露大会とも言える楽曲が集まりました。

お互い曲を受け取った時はどんな気持ちだったか分かりませんが、

”それはそれ、これはこれ”と割り切ったのか、

あるいは優れた表現の前には個人的な怨みつらみは関係なかったのか、

とにかく全員が卓越したプロであり、生粋のミュージシャンだったのでしょう。

こうして1977年に完成したLP「噂」は、完成度が極めて高く、

ビシッとした緊張感が筋の通った大傑作となったのです。

結果としてバンドに巨万の富と名声をもたらしたわけですが、

当人達にとっては、自らの苦しみや悲しみを音楽にぶつけることによって

救われるという、あまりにもミュージシャンでしかない自分を

再発見できた喜びも大きかったのかもしれません。

この後10年もこの5人でバンドが続いたのですから。

1000万枚を超えるメガ・ヒットを記録し、

ロック史上に輝く名盤の裏に隠されたドラマのお話でした。

今日は、フリートウッド・マックで「ドリームス」をお届けしました。