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6月11日(木)の名盤は…

今週は「ヴァン・ヘイレン」を紹介しました。

ロックはイントロが命。

カッコいいイントロでリスナーの耳をこちらに向けさせることができれば、

もうヒットは約束されたようなもの…。

まさに名曲に名イントロあり、ですが、その中でも最も有名なもののひとつが

現在ドラマの主題歌としてリヴァイヴァルしているこの曲でしょう。

ヴァン・ヘイレン「ジャンプ」。

洋楽を聴かない人でさえも“ああ、あれ!”という意味では、

イントロ知名度トップ3に入っているのは間違いないと思われます。

さて、このヴァン・ヘイレン、1978年のデビュー以来、

HR/HMファンの間では大人気でしたが、

ヒット曲は他人のカヴァーばかりで、一般的人気は一流半といった感じでした。

そんな彼らの初めての自作ヒットであり、

初の全米No.1獲得曲が1983年リリースのこの曲です。

何といっても、イントロで印象的なシンセサイザーを全編に

大胆に導入したポップでキャッチーなアレンジガHR嫌いの人にも

受け入れられ、世界のトップスターの座を手に入れたのですが、

古くからのファンはあまりにも下世話な感じにとまどいました。

しかし、脳天気なまでの明るさはこのバンドのある意味本質ですし、

シンセイばかりが話題になる中で間奏のギター・ソロはアイディアも

テクニックもHRギターの教科書と呼ばれるほど充実した

ベスト・プレイですから、突然変異でも何でもなく、

これぞヴァン・ヘイレン節そのものと言えるのかもしれません。

もうひとつ、実はこの曲、先週紹介した、

クリストファー・クロス「オール・ライト」のパクリ疑惑があるのですが、

AORポップスをHRにしてしまったわけで、

他人の曲を自分達の音でカヴァーするのを得意としてきた彼らの

真髄と言えなくもない?それにしてもこのイントロ。

このシンセの音色は最も80年代を代表するもので、

ということは古臭く感じるはずなのに少しも時代を感じさせず、

今なお愛されているのは不思議ですね。

これぞ名曲のみが持ちうるマジックなのでしょう。