« 7月15日(水)魔法のことば  |  「ビオレ」のヒミツ >

7月16日(木)の名盤は…

今週から3回にわたってニューミュージック特集をお届けします。

35才以上の方ならば感覚的にどんな音楽を指すのか

おわかりだと思いますが、リアルタイムで体験のない若い人に

言葉で説明しようとすると、これが実に難しい。

私なりに定義を考えてみたのですが、

”1970年代後期から80年代初期にかけてブームとなった、

歌謡曲よりはるかに洋楽テイストが濃く、

しかし純ロック/フォークほど硬派ではない、

独特の都会的雰囲気をもった日本のポップス”といった感じでしょうか。

要するにそれまでの分類ではどこにも属さない”新しい音楽”という

意味のネーミングなのでしょう。

定義を補足する主な特徴としては、例外もありますが、

歌謡曲と一線を画すものとして、

①バンド形態、もしくはソロでは何らかの楽器を弾き語る場合が多い

②基本的に自作自演である。

そして本当にとんがったロック/フォークの人達と違って

③テレビにどんどん出た。・・・といったことが挙げられます。

だから言葉を代えれば”DIY精神を持った歌謡曲”とも

“テレビサイズに縮小・希釈されたロック”とも言えるかもしれません。

今から振り返るとそんな中途半端で曖昧な存在でありながら、

いや、だからこそ絶妙なハイブリッド感覚の名盤が多数生まれています。

今日紹介するのは大橋純子。

1回目から先ほど挙げた特徴の例外的な人で、

曲は自分では作りませんし、楽器も演奏しません。

しかし、後に一風堂を結成する土屋昌巳をはじめとするロック・バンド、

美乃家セントラル・ステイションがバックを固めているので

歌謡曲とは差別化されています。

でもバンドは決して自己主張せず、あくまでも抜群の歌唱力を誇る

大橋純子の歌を前に立てて、バッキングに徹しているところが、

まさにこの時代のニューミュージックならではの味わいです。

若いリスナーの皆さんにはどう感じられるでしょうか?

今日は、1977年の曲「大橋純子&美乃家セントラル・ステイション」で

「シンプル・ラブ」をお届けしました。