7月9日(木)の名盤は…
今週は1960年代に人気の高かったアメリカのバンド、
ザ・ラヴィン・スプーンフルを紹介しました。
1965年にニューヨークで結成された4人組で、
当時特にここ日本では同じ時期に人気のあった西海岸のバンド、
ザ・バーズやママス&パパスなどと同じフォーク・ロックの仲間に
分類されていました。
それは間違いではないのですが、アメリカのフォークを、
イギリスのビートルズをはじめとするビート・バンドの影響のもとエレキ化した、
西海岸勢と比べると、彼らの場合はイギリスからの
借り物がはるかに少なく、独自の音楽性を持っていたのです。
それは何かというと、古き良き時代のアメリカのルーツ・ミュージックの要素。
多くのフォーク・ロック勢がフォーク、ブルース、カントリーぐらいしか
ルーツを持っていなかったのに対し、ジャズやジャグバンド、ラグタイム、
スキッフルといったいにしえの楽しい音楽をも吸収し、
ロックの時代に甦らせたのが彼らだったと言えるでしょう。
そんなことから今では彼らの音楽を”グッド・タイム・ミュージック”と
呼ぶことが一般的となっています。
初めてなのに懐かしい、そんな楽しいロックンロールで、
デビュー以来次々とヒットを連発する彼らですが、
全盛期は2年ほどで突然終わりを告げます。
メンバー2人が麻薬で逮捕されたことでファンが離れてしまい、
メンバー交代で頑張ったのですが、二度と人気が戻ることはなく
解散へ追い込まれたのでした。
しかし彼らがアメリカの音楽シーンに果たした功績は今なお光り輝いています。
なにしろビートルズが知らないアメリカを叩きつけてみせたのですから。
今日は彼らの1966年の全米No.1ヒット曲をおかけしました。
どちらかというとストレートなロックンロールで、
今まで語ってきたような古き良き時代の要素は少ない曲なので
申し訳ないのですが、「夏は暑くて汗だくでイヤだなー」という、
まさに今の気持ちを代弁する名曲「サマー・イン・ザ・シティ」でした。